大阪府の賃貸オフィス市場は、2026年8月時点で平均坪単価16,332円、空室率は4.6%となり、前月比では坪単価が289円(1.7%)下落、空室率も0.3ポイント低下しました。市場全体としては、前月からの賃料下落と空室率の改善という、やや複雑な動きを見せています。
特に注目されるのは、新築ビルにおける空室率の顕著な変化です。新築ビル全体の空室率は22.7%、新築大規模ビルでは21.4%と、いずれも前月から4ポイント以上も大幅に改善しました。これは、一部の大型物件で空室消化が進んだことを示唆しており、市場の動きに活気が出てきた兆候とも言えるでしょう。一方で、既存ビルでは空室率が3.9%と、引き続き低い水準で安定しており、大規模ビル全体でも4.0%と、市場の引き締まりが継続している様子がうかがえます。
区別に見ると、大阪市北区は坪単価19,228円、空室率3.4%と、依然として大阪府内トップクラスの賃料水準と良好な空室状況を維持しています。前月比では坪単価は微減しましたが、空室率は0.5ポイント改善しており、需要の底堅さを感じさせます。中央区も坪単価16,497円、空室率3.7%と、北区に次ぐ水準ですが、こちらは坪単価が418円(2.5%)と大きく下落し、空室率も0.4ポイント低下しました。この賃料下落は、中央区における新規供給やテナントの移転戦略などが影響している可能性も考えられます。淀川区では坪単価が上昇に転じ、西区や大阪市その他エリアでは小幅な賃料下落と空室率の横ばい・低下が見られました。
オフィススペースの広さによって、賃料には大きな開きがあります。例えば、20〜30坪の比較的小規模な区画の平均坪単価は13,709円であるのに対し、200坪以上の大型区画では27,545円と、倍以上の価格差が生じています。これは、大型区画に対する需要の強さや、希少性の高さを反映したものと言えるでしょう。
最近のニュース動向を見ると、福岡市では新築・築浅ビルの空室消化が進み、本社機能移転などの大型案件が成約したことが市場の活況を後押ししています。大阪市においても、2026年7月末のデータでは大規模オフィスビルの空室率が上昇したものの、募集賃料は10ヶ月連続で上昇し、2000年以降の最高値を更新したという報告もあります。新規供給が低水準の見込みの中、テナントの移転需要は活発で、好立地のビルには引き合いが集中している状況です。一方で、2024年6月にはシステム開発大手Sky社の本社移転に伴う解約が、大阪市中心部のオフィス空室率を一時的に押し上げる要因となったこともありました。これらの動きは、大阪府のオフィス市場が、新規供給の動向や大規模テナントの移転戦略、そして景気動向など、様々な要因に影響を受けながらも、全体としては堅調な需要に支えられていることを示唆しています。