2026年7月の大阪府賃貸オフィス市場は、平均坪単価が16,594円と前月比で1.5%上昇し、238円の増加となりました。空室数は1,406区画、空室率は5.0%と、前月比で0.4ポイント上昇しており、市場全体の需給バランスにわずかな緩みが見て取れます。
この空室率の上昇は、既存ビルにおける動きが主因と考えられます。既存ビルの空室率は4.2%と前月比で0.2ポイント上昇した一方、新築ビルでは27.1%、新築大規模ビルでは25.6%と、いずれも前月から微減しており、新規供給に対するテナントの反応は依然として慎重であることがうかがえます。特に、大規模ビル全体で見ても空室率は4.5%と前月比0.2ポイントの上昇に留まっており、新築ビルが市場全体を押し上げる形での空室率悪化となっているようです。
区別に見ると、市場の明暗が分かれています。最高坪単価を記録したのは大阪市北区で19,359円/坪、前月比では314円の上昇と堅調な動きを見せ、空室率も3.9%と前月比で横ばいを維持しています。一方、大阪市中央区は坪単価が16,850円/坪と前月比75円の下落、空室率も5.0%と0.2ポイント上昇しました。これは、システム開発大手Sky社の本社移転に伴う解約が影響している可能性があり、ニッセイ新大阪ビルやJPタワー大阪といった物件にも関連する動きが見られました。
注目すべきは大阪市淀川区の坪単価の急騰で、16,739円/坪と前月比で実に16.0%という大幅な上昇を記録しました。しかし、空室率は4.4%と前月比で1.8ポイントも上昇しており、一部の大型物件での退去や募集条件の変更が市場全体に一時的な影響を与えた可能性が考えられます。空室率の改善が見られたのは大阪市西区で、同-0.3ポイントと着実に空室消化が進んでいます。
坪数帯別では、200坪超の大型区画が27,253円/坪と最も高い賃料水準を維持している一方、20~30坪帯の区画は13,952円/坪にとどまり、約13,300円もの開きがあります。これは、企業規模に応じたオフィスニーズの多様化や、中小規模オフィスへの需要集中を示唆していると言えるでしょう。
過去6ヶ月の推移を見ると、2026年2月以降、坪単価は概ね上昇傾向にあり、7月には16,119円/坪まで回復していました。今回のレポートでは、平均坪単価はさらに上昇し、賃料の上昇基調は続いていることが確認できます。
最近のニュース動向としては、東京都心部では空室率が低水準で推移し、募集賃料も上昇傾向にあるという情報があります。大阪市では、梅田エリアを中心に空室消化が進み、築浅ビルでの大型空室消化もあって、空室率が2020年11月以来の1%台に迫る水準まで低下し、募集賃料も上昇を続けているという報道もありました。こうした旺盛なオフィス需要を背景に、スリースターのような企業が大阪支店を開設し、セットアップオフィス市場の拡大を推進する動きも見られ、企業の多様な移転ニーズに応える動きが活発化しています。大阪府のオフィス市場は、新規供給が限定的な中で、テナントの拡張移転需要が市場を下支えする形で、引き締まった需給バランスが続くと見られます。