大阪府の賃貸オフィス市場は、2026年6月現在、平均坪単価16,522円/坪、空室数1,250区画、空室率5.1%を記録しました。前月比では坪単価が272円(+1.7%)上昇し、強含みで推移しています。空室率は横ばいを維持しており、市場全体の需給バランスは比較的安定していると言えるでしょう。
注目すべきは、ビル種別ごとの空室率の動向です。新築ビル全体の空室率は27.3%と依然として高い水準にあるものの、前月比では0.4ポイントの上昇にとどまっています。特に新築大規模ビルにおいては、空室率が25.7%と前月比で0.1ポイント低下しており、大型物件へのテナント誘致が進んでいる様子がうかがえます。一方、既存ビルは4.0%と低水準を維持し、大規模ビルでは3.6%とさらに引き締まっています。これは、既存ビルへの需要が根強く、安定した稼働が続いていることを示唆しています。大規模ビル全体で見ても、空室率は4.4%で前月比0.1ポイントの低下を示しており、大型物件の需要も底堅いことが分かります。
坪数帯別に見ると、市場の価格帯には大きな幅が見られます。最も価格帯の高い200坪超の区画は平均26,753円/坪という高値圏にある一方、最小の20〜30坪帯は14,040円/坪と、その差は約12,700円/坪に達します。この価格差は、企業の規模や立地、物件のグレードによって、オフィススペースに求められる価値が大きく異なることを物語っています。
エリア別では、大阪市北区が坪単価19,045円/坪、空室率3.9%と、都心部としての強さを維持しています。坪単価は前月比で257円(+1.4%)上昇し、空室率も0.2ポイント改善するなど、着実に需要を吸収しています。中央区も坪単価16,925円/坪、空室率4.8%と堅調で、空室率は0.1ポイント低下しました。しかし、西区では坪単価が14,073円/坪と上昇したものの、空室率が0.1ポイント悪化し4.9%となりました。その他エリアも同様に空室率が0.1ポイント上昇し、6.7%と他エリアに比べてやや高めの水準で推移しています。
最近のニュース動向に目を向けると、大阪市のオフィス空室率が5ヶ月連続で低下し、2.02%と2020年11月以来の1%台に迫る水準となったことが報じられています。これは、築浅ビルでの大型空室消化が主な要因であり、募集賃料は8ヶ月連続で上昇し、2000年以降の最高値を更新し続けているとのことです。新規供給が低水準の中、テナントの拡張移転需要が市場を支えている状況は、大阪府全体の市場動向とも合致しています。また、日本生命や住友生命といった大手不動産所有者の物件で空室率が低水準で推移しているというニュースは、大阪都心部におけるオフィスビルの堅調さと市場全体の安定性を裏付けるものと言えるでしょう。
過去6ヶ月の推移を見ると、2026年1月以降、坪単価は概ね15,000円台で推移していましたが、直近の6月には15,433円/坪まで上昇しており、緩やかながらも回復基調にあることが確認できます。空室率のデータは提示されていませんが、前述のニュース動向などを踏まえると、こちらも改善傾向にあると推測されます。
総じて、大阪府の賃貸オフィス市場は、新築物件には依然として課題が見られるものの、既存ビルを中心に需要が堅調であり、賃料の上昇傾向も続くなど、ポジティブな動きが目立ちます。特に都心部では、企業の移転・拡張ニーズが市場を下支えしており、今後の動向も注視していく必要があります。