HOME > officee magazine > ワークスタイル > 【エアークローゼット】「airWork」をコンセプトに、企業文化を体現したオフィス。活発なコミュニケーションを生み出す空間へ
プロのスタイリストが洋服をお届けする月額制ファッションレンタルサービス『airCloset(エアークローゼット)』や、“選ばないお買い物”アプリ『pickss(ピックス)』などを展開する、株式会社エアークローゼット。トレンドに敏感なOLから、忙しくて洋服を買う余裕がないママさんまで、幅広い女性層から支持を集めています。
同社は、2018年1月に表参道駅近くのオフィスに移転しました。「airWork」というコンセプトのもと「Air(軽やかさ・ファッション)」「Transparent(透明性)」 「Communication(交流)」を重視して作られたオフィスで迎えてくれたのは、代表取締役社長兼CEO・天沼聰さん。内装に込められた思いや、同社の展望について伺いました。(公開日:2018/04/26)
オフィスのスペースが不足してきたことが今回の移転理由です。事業成長にともない社員やスタイリストの人数が増えてきました。以前は事業・組織の拡大に合わせて六本木・神谷町と移転してきましたが、最先端のファッショントレンドをキャッチできる場所として今回は表参道に決めました。
この移転は、結果的に成功だったと感じます。お取引先が近くなりましたし、何よりもメンバーのファッションに対する意識が上がりました。内装は三井デザインテックさんにお願いして、 オフィスのコンセプト「airWork」もご提案いただいたんです。コンセプトを表す3つのテーマ「Air(軽やかさ・ファッション)」「Transparent(透明性)」 「Communication(交流)」を表現したデザインは、社内でも大好評です。
ありがとうございます。それぞれのテーマに沿って細部の内装を決めていったのですが、企業としての理念を体現した仕上がりになっています。
まず、「Air(軽やかさ・ファッション)」 については、マネキンを床置きではなく天井から吊るして浮かせたり、ブランコを設置したり、さらにはスタイリスト専用の部屋を床から一段上げることで浮遊感を表現しました。このテーマには、「コミュニケーションや行動を軽やかにしてほしい」という思いを込めています。何かを始める時に重く捉えず、行動を遅くしない。コミュニケーションも壁をつくらずスピーディに行ってほしい、という思いが「Air」で体現されています。
次に、情報を包み隠さず共有をしたいという姿勢、ご来社いただいたお客さまに見られても恥ずかしくない働き方を「Transparent(透明性)」で表しています。会議室、スタイリストの部屋、執務スペース、全ての部屋をガラス張りにしました。仕事の姿勢を客観視させるだけでなく、このデザインによって社員同士の繋がりをより強く意識できます。
最後に、オフィスを1フロアにして広々としたエントランスを設けること、執務スペース内にソファを置くことで「Communication(交流)」がしやすい空間を実現しました。私たちのサービスはUX(体験価値)を一番大切にしています。それを高めるには、スタイリストとお客さま、社員同士のコミュニケーションを密にすることが必須。そのために「自分だけの世界にこもらずシェアする」ことが大切です。集中スペースを限定したり、執務室で音楽を聞くのを禁止したりしているのもそのためです。時には意見を言い合いぶつかることで、感動体験を与えるアイデアが生まれると考えています。
一番好評なのはブランコですね。みんな大好きですよ(笑)。お昼を食べたり、MTGをしたり、少し雑談をするなど、ブランコの周りには自然と人が集まってコミュニケーションが生まれています。また、集中して話し合うMTGでは会議室が適していますが、アイデアを発散し合うMTGにブランコは適していますね。気軽に意見を発しやすいので、遊び心のあるアイデアが引き出されやすい気がします。
エアークローゼットでは、社員全員にニックネームをつけて呼ぶ文化があります。例えば「キャロル」「わかめちゃん」「ちゃんさく」など、名前は様々。ちなみに私は「アッシュ」と呼ばれています(笑)。ニックネームで呼び合うのは、私たちが社員同士のつながりを役職や上下関係ではなく、“役割分担”と捉えているからです。
それぞれ役割が違うだけで、立場はみんな対等です。私の「社長」という役割は、リーダーシップを発揮するだけでなく、みんなから信頼を得ることも大事。従業員の上に立っている意識は全くなく、あくまで信頼して任せてもらってるという立場です。それは私も同じで、「広報」や「営業」「スタイリスト」などの役割を信頼して、みんなに任せています。
あくまで役割なので、私も「社長」と呼ばれるのは変な感じがして。ニックネームの方が対人で付き合ってる感覚でしっくりきますね。ニックネームで呼ぶことで社員同士の距離感が縮まりやすいと感じます。
あと、退社するときは全員と握手してから帰るという文化があります。
握手をする文化は、実は創業前から行っていました。共同創業者の3人で集まって話して、解散する時にいつもやっていたんです。深い意味はなく自然とでした。創業後に、今の執行役員のメンバーが社員第一号として入社した時、「これはいいですね」と言ってくれて。「続けられるまでこの文化を続けよう」ということでスタートして、未だに途切れていないんです。
オフィスには業務委託やインターンを含めると常に80名弱のメンバーがいます。全員と握手するのは少し大変ですが、握手する時に自然と一声かけ合います。1日に1回は全員と会話するきっかけになる。これからも続けたい取り組みの1つですね。
オフィスは会社の文化を表現する1つのツールだと思います。「airWork」をコンセプトにしたオフィスデザインは、まさにその考え方を表現しています。中でも一番大切なのは、コミュニケーションの場としてのオフィスです。社員、スタイリスト、お取引先の三者がそれぞれの目的を持ってオフィスに集まります。共通しているのは、コミュニケーションを求めて集まっていること。であれば、よりコミュニケーションをしやすい環境にしたい。
エントランスやブランコを中心にメンバー間の触れ合いが増え、オフィスに来られるお客さまからは「素敵なデザインですね」と声をかけていただけます。コミュニケーションを一層深めて、今後も感動体験を与えるサービスを提供できればと思います。
(photo:森田剛史/text:田中一成)
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