HOME > officee magazine > ワークスタイル > 【PR TIMES】こだわったのは「効率よりも生産性」。部署を越えたコミュニケーションを生み出すオフィス
プレスリリース配信サービスにおけるシェアNo.1を獲得している、株式会社PR TIMES。同社は以前、グループ企業である株式会社ベクトルと赤坂のオフィスに同居していましたが、2016年に単独で南青山へと移転。PR TIMES独自の文化を形成すべく、新オフィスの設計に力を入れたそうです。
そこで今回、移転プロジェクトの指揮をとった経営企画本部の杉山さんに、オフィスのこだわりや移転による社内の変化などについてお話を伺いました。(公開日:2018/01/16)
移転前は、赤坂のグループ企業と同じオフィスに入っていました。ただ、PR TIMESとしての人数が増えてオフィスが手狭になってきたこと、そして自分たちの文化を築いていきたいという思いから移転をしました。
エリアについては、恵比寿や六本木なども候補だったのですが、いろいろ探している中でこの南青山の物件が一番良かったんです。また、南青山は表参道まで歩いてすぐなので、「トレンドの変化」をそばで感じられるところにオフィスを構えるというのは、PRの領域で事業を展開する私たちとしても良いことだと思って選びました。
まず、天井が高いことですね。そのため窮屈感を感じずに仕事ができるのは良いなと。また、貸室内に柱がないことも良かったです。柱があると見通しが悪く、誰がどこにいるか分かりづらいため、対面でのコミュニケーションが減ってしまうのではないかと考えました。この物件はワンフロアを見渡せて、さらに両面に大きな窓もあるため、とても開放的で気に入っています。
そうですね。赤坂はオフィス街ということもあってビジネス色が強かったんです。一方、南青山エリアはモデルのような方が歩いていたりと、ファッションやトレンドを感じられる雰囲気があるなと思います。
私たちは「効率」よりも「生産性」を大切にしています。言葉通り、効率的に働くことよりも、生産性を上げて働くことに重きを置いています。オフィス設計においても、「生産性を上げる」環境づくりにこだわりました。
たとえば一人ひとりのデスクも、効率面で考えればパソコン1台置ける広さがあれば十分なのかもしれません。しかし、効率を追求するのではなく生産性を上げて働くために、弊社では一人あたりのスペースを十分に確保しています。
また、インテリアの色にもこだわりました。昔は、デスクやチェアの色は圧迫感のあるダークトーンが多かったんです。「組織の色」や文化と呼べるものが明確になかった私たちにとって、何色にも染められる自由な発想を持つために、新オフィスでは薄い色でナチュラルなテイストのものを選んでいます。
こちらは『TIMES GArDEN』と名付けていて、ちょっとした打ち合わせで使用したり、自席以外で気分を変えて仕事をしたい時などに使っています。
また、週に1回バリスタの方を呼んで、午後の時間帯はいつでも淹れたてのドリンクを飲めるようにしています。というのも、元々この『TIMES GArDEN』は、メンバー同士のコミュニケーションを活性化する上で「ハブ」になる場所が欲しい、と思ってつくった場所なんです。ここを中心に多くの人が利用するような導線を考えて、モノや机を配置しています。
バリスタの方を呼ぶことにしたのは、ただ場所をつくるだけではコミュニケーションは生まれない、何かコンテンツがないとこのスペースは作用しない、と思ったからです。実際、ドリンクが提供されるまでの間に、別部署の社員同士で会話が生まれるなど、「ハブ」になる場所として機能していて嬉しいですね。
部署を横断したコミュニケーションを生み出す狙いとして、様々な場面で「プロジェクト制」を取ることがあります。プロジェクトごとに、参加したいメンバーを社内で公募してアサインするんです。一人ひとりに裁量を与えて、仕事の幅を広げることができますし、部署や役割の垣根を超えた交流を生むことができます。
実際に、今回のオフィス移転もプロジェクト制でメンバーが構成されたんです。私以外にもエンジニアがいたりと、様々な部署からメンバーが集まりました。エンジニア目線で考える「良いオフィス」と、私の考える「良いオフィス」は異なるので、その違いを学ぶこともできましたね。
弊社は「フラットでオープンな組織」を目指していて、座席配置も上下関係を意識しないよう工夫しています。なので、マネージャー陣の席が、一般の社員と入り混じっていたりするんですね。知らない方から見たら、誰がマネージャーなのか分からないと思います。
また、初めてオフィスにいらっしゃった方は皆さん驚かれるのですが、来客用会議室から執務スペースまで隅々を見渡すことができるんです。社内に関してはもちろん、社外に対しても可能な限りオープンでいたいという考えのもと、そのような工夫をしています。
以前のオフィスとは違い、新オフィスでは圧倒的にコミュニケーションの量が増えたと思います。
そして量だけでなく、質の部分でも変化がありました。『TIMES GArDEN』などのフリースペースで仕事をする人も増えたことで、別部署のメンバーに意見をもらうシーンが見受けられますね。仕事をする人もいれば、隣でランチを食べる人もいる。「ここはこういう場所」という定義をあえてしないことで、活用方法に幅が出て、使いやすく人が集まるスペースになっていったのかなと思います。
社員が業務に集中できるよう、「邪魔をしない存在」だと思っています。私たちがオフィスづくりをする中で、快適さや居心地の良さというキーワードが上がってきたことは一度もありませんでした。これらの要素をオフィスに求めていないからです。一人ひとりの生産性を上げるために、社員の「邪魔をしない環境」を整える。それが、オフィスの持つ役割かなと思いますね。
(photo:服部健太郎/text:永田優介)
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