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【ピクスタ】オフィスは、組織づくりに欠かせないもの。企業理念に通ずる「オープンでフラット」な環境とは

国内最大級のデジタル素材オンラインマーケットプレイス『PIXTA』を運営し、近年では海外進出など目覚ましい成長を遂げているピクスタ株式会社

2016年末に移転した渋谷のオフィスは、垣根のないコミュニケーションを生むため、「オープンでフラット」な空間を意識してつくられています。そこには、組織づくりに重きを置いている同社ならではの工夫が詰まっているのだそうです。

そこで今回、コーポレート本部 戦略人事部長の秋岡和寿さんに、オフィス設計のこだわりやコミュニケーションを活性化させる工夫についてお話を伺いました。(公開日:2017/12/19)

企業理念を象徴するようなオフィス空間を目指して

── 現在のオフィス物件を選ばれた経緯について教えてください。

こちらのオフィスは、2016年12月から入居しています。この1つ前に借りていたところが、人数規模的に手狭になってきたので、「移転後も数年はいられるかな」という広さと、ワンフロアという条件を満たす物件を探し始めました。

エリアは最初から渋谷界隈に絞っていましたね。この辺りにはインターネットベンチャーが数多く集まっているため、社外の人と気軽に打ち合わせができるなど、実利的なメリットが大きいんです。エンジニアの採用につながるイベントなども、最近渋谷で開催されることが多くなっていると感じますし。

新南口周辺やヒカリエの裏あたりで、坪単価などの条件をもとにいくつかの物件候補を比較検討しつつ、最終的には移転プロジェクトのメンバー全員がこの物件を気に入ったので、ここに決めました。窓からの光の入り方とか、抜け感があって明るいし、良いなぁと。

── オフィスの内装は、どのようなコンセプトで設計されたのでしょうか?

弊社の理念「才能をつなぎ、世界をポジティブにする」をベースに内装のコンセプトを決めたのですが、それが「誰もがチャレンジできるオープンでフラットな世界を実現できるオフィス」です。個々人の才能を活かしながらも、いかに全体の一体感をつくっていくかが、組織づくりを行う上ではとても大切だと思っていて。オフィスも、そんな組織づくりの一環として、内装やレイアウトを考えていきました。

── フリースペースであるラウンジは、従来の450%のスペースを確保されたそうですね。

はい。メンバー全員が集まれる場所が欲しいということで、移転前からずっとつくろうと思っていました。社内で名前を募集して、首都高速3号渋谷線が目の前に見えることから「3号カフェ」と呼んでいます。

3号カフェはまさに、先ほど申し上げた「オープンでフラット」を具現化したものなんです。お客様が入って来られるエントランス側はガラス張りにして、視覚的に完全にオープンになっています。社内外をシームレスにつなぐ、ハブのような場所になれば、という思いも込めました。

pixta_03_エントランス

また、よく驚かれるのですが、3号カフェから執務スペースへもそのままつながっていて、間仕切りをしていないんです。イベントの時など、必要があれば、蛇腹式のガラス戸で仕切ることもできます。

pixta_04

── 執務スペースや会議室など、他にも「オープンでフラット」というコンセプトを表現しているポイントがあれば教えてください。

例えば、執務スペースの場合はパーテーションがないことも1つの特徴ですね。視界を遮るような高い本棚なども置かないようにしています。珍しいことに、弊社には役職者の席がないんですよ。社長もノマドのように、日々、席を移動をしながら仕事をしています。「オープンでフラット」という考え方から、役職者が偉いという感覚が弊社には全然なくて。どちらかというと「役割」に近いんですよね。経営者担当とか、人事部長担当というか(笑)。もちろん決断はしますが、トップダウンではなく、現場の意見が一番大事という考え方で、コミュニケーションを図りやすい環境を目指しています。

pixta_05_執務室

それと、会議室はできるだけ密室空間にならないようにしています。オープンさを表現するために、ガラスの素材選びからこだわりました。下半分は透明、上半分はすりガラスにして、目隠しはされているけれど、なんとなく見える、という環境にしています。

pixta_06

リアルなコミュニケーションを生む凝集性と動線

── コミュニケーション活性化のために、行っている取り組みはありますか?

ピクスタはインターネットベンチャー企業ということもあって、チャットを使って業務のやりとりをすることが多いんです。ただ、より良い組織づくりという視点では、リアルでのコミュニケーションがとても重要だと思っています。

オンラインのやり取りだけでは、組織としての一体感や、メンバー同士のより近い関係性を構築することはできません。そこで、オフィス設計ではリアルの強みを活かした「凝集性」をつくろうと考えました。

例えば、執務スペースでは、少し小さめサイズの100cm幅のデスクを採用。座ったときに、周りのメンバーがどういう状況なのか、表情や温度感などもつかみやすいんです。その代わり、机には本や資料などを置くスペースはないのですが、弊社はほぼペーパーレスなので特に支障はありません。

また、メンバー同士が物理的にすれ違う回数を増やすようにするなど、リアルなコミュニケーションが生まれるような工夫もしています。出勤してから自席に辿り着くまで、必ずメンバーの顔を見れる動線になっているんです。座り疲れた人が使うスタンドテーブルなど、ちょっとしたミーティングが自然発生するようなスペースを設けたことも、より良いコミュニケーションを生んでいます。

社内イベントとしては、四半期に1度、ピクスタに関わる人が3号カフェに集まって納会を開催したり。役職や部署などの垣根を越えて、さまざまな人が交流できるような取り組みを行っています。

pixta_07

── オフィスを通じて、さまざまなコミュニケーションが生まれているんですね。

そうですね。特に、3号カフェをつくったことによって、エンジニアの勉強会やセミナー等を開催することができ、社内外の交流も促進されています。

また、移転してから「メンバー間の交流機会は増えている」と実感している人も多いですね。わざわざ会議室を使わずに、簡単な打ち合わせができるようになったりと、よりスムーズなコミュニケーションを行うことができていると感じます。

── 最後に、今後の展望を教えてください。

今後は、3号カフェでさまざまなイベントを開催することで、社外の人にピクスタのことをより知ってもらえたら、と思っています。私たちがメインで提供しているのはtoBのサービスということもあり、まだまだ一般の認知度は高くないと感じていて。オフィスに来てもらうことで、ピクスタの社風やサービスに込める思いを身近に感じてもらい、理念に共感してくれる方が増えたら良いなと思っています。長期的な目で見て、採用などにもつながれば嬉しいですね。

pixta_08

(photo:服部健太郎/text:曽田夕紀子)

ピクスタ株式会社

会社HP pixta.co.jp

所在地 東京都渋谷区渋谷2-12-19

入居ビル 東建インターナショナルビル本館

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