HOME > officee magazine > ワークスタイル > 【PARTY】社内外の人が緩やかにつながるオフィス空間を。チャレンジと検証を繰り返し、新たな化学反応を起こしていく
「未来の体験を世の中にインストールする」を合言葉に、広告領域に収まらない斬新な作品を世に送り出すクリエイティブ集団、PARTY。最近では、スマートフォンと歯ブラシが連動したサンスターの歯みがきloT『G・U・M PLAY』や、日建設計・良品計画と3社合同で空間デザインを手がけた成田空港第3ターミナルが話題です。
PARTYは、2018年4月にオフィスを移転。なんと、2011年の設立以来初めてだったそうです。名だたるクリエイターが集まる空間には、どのような仕掛けがあるのでしょうか。広報の西山すのさんに、代官山の新しいオフィスを案内していただきました。(公開日:2018/06/22)
まず最初に通されたのは、開放感のあるエントランス。壁や天井はコンクリート打ちっぱなしで、インダストリアルな雰囲気です。
受付カウンターの奥には、十分な席数を確保した打ち合わせスペースが広がります。木材を組み合わせてつくったデスクは場所によって高さを変えており、遊び心があります。
奥にある小上がりのスペースは、簡単なミーティングをする時に便利。また、高さがあり適度にプライバシーが保たれるので、集中して作業したい時は好評なのだとか。
L字のスペースでは、社内のメンバーだけでなく、協業する社外の方が作業をすることもあるそう。もちろん、電源も完備しています。
半透明の仕切りの向こうは、メンバーの皆さんの執務スペース。窓から入る自然光で、外から見ても非常に明るいことが分かります。
手前の打ち合わせスペースは人の行き来が多いため、間に高さのある仕切りがあることで自分の業務に集中でき、なおかつプライバシーも保たれているそうです。
ガラスで仕切られた、電話ボックスのようなスペースもあります。周りに声が漏れないので、オンライン会議で使われることが多いようです。
そして、設立以来大事に使っているという、ヒルサイドテラスのスタジオにもお邪魔しました。新オフィスからは徒歩2~3分の場所にあります。
こちらは、スタジオ併設のキッチンです。ケータリングの業者さんを呼んで料理をしてもらい、スタジオ内のパーティーで振る舞うこともあるとか。
メンバーの中には、近所からスケートボードに乗って通勤する人もいるそうです。
それでは、オフィスへのこだわりや働き方について、西山さんにお話を伺っていきたいと思います。
以前のオフィスは人員増加で2フロアに分かれてしまい、メンバー同士のコミュニケーションが取りづらいという問題がありました。なおかつ、1フロアはシェアオフィスのような形で、他社さんと共同利用していたんです。いずれもカフェのようなオープンスペースで仕切りもなかったので、どうしても仕事中に他の人の案件が耳に入ってしまったりして。そのため、集中したい人は自宅で仕事をしていることもありました。
今回のオフィスは、まず1フロアでメンバー全員の席を確保できる物件を選びました。2フロアだった時は「今、上にいる?」などとslackを使って確認していたのですが、その手間がなくなったのは大きいですね。かつ、内装に関しても打ち合わせスペースと執務スペースとを仕切ることによって、集中して仕事ができるようになりました。働き方の自由度を高めた分、オフィスで仕事をするメンバーが増えて、前よりも対面でのコミュニケーションが多くなったと感じます。
また、社外の方も含め多種多様な職種の方と同じ空間で仕事ができる環境をつくりたかったというのも、新オフィスに移った理由です。
はい。昨年、PARTYからスピンオフでリリースした仮想通貨を用いたサービスの『VALU』もそうですが、世の中にない新しい作品をつくることの多い私たちは、法的にも税制的にも問題がないかどうか、弁護士さんや税理士さんなど、クリエイター以外の職種の人とも深く関わって仕事をしています。
クリエイティブの領域を超えた職種の方とも同じ空間で仕事をしたら、もっと面白い化学反応が起きるのではないか、と考えていて。実は、今回移転した代官山オフィスの他にも、新たに鎌倉で働ける場をつくったんです。これは、同じような志を持った会社と一緒に運営しており、知り合いだけで構成される「コレクティブオフィス」と呼んでいます。
半透明の仕切りや打ち合わせスペースの家具などは、移転のタイミングで新調しました。仕切りを半透明にしたのは、メンバーのプライバシーを守りつつ、外部の方がオフィスにいらした際に圧迫感を感じさせないようにするためです。
執務スペースのデスクは、以前のオフィスで使っていたものを持ってきました。窓際にデスクを配置することで、メンバーが自然光を浴びながら仕事できるようにしています。
都心に行き来しやすい距離で場所を模索する中、候補にあがったのが鎌倉でした。鎌倉に拠点を持つクリエイティブ企業はすでにありますし、クリエイターの集まる基盤があったことが理由です。新拠点の実証実験をするにあたって、クリエイターが集まりやすい場所を選んだほうが上手くいくのではないかと考え、今回は鎌倉に拠点を置くことにしました。
古都鎌倉らしい奥ゆかしさを感じる物件ということで、鎌倉駅から歩いて15分程度の古民家を選びました。スキーマ建築計画の長坂常さんが内装を手がけていて、中はとても新しい雰囲気になっています。PARTYのメンバーは、鎌倉ベースで働くのか、代官山ベースで働くのか、選ぶことができるんです。
まだ運用は開始していないのですが、代官山と鎌倉に1台ずつ自動運転車両のテスラを置いて、シャトルバスのような使い方で行き来することを考えています。移動時間を無駄にせず、コストも節約するにはどうしたらいいかを考えた時に、動くミーティングスペースのような環境があればいいんじゃないかと。
私たちも仕事柄、新しい体験は常にしておきたいと思っているので、様々な機能が搭載されたテスラはとても魅力的でした。移動中にミーティングができたらとても便利ですよね。現在、社内のメンバーだけが使える専用アプリを開発中です。
これまではほとんどのメンバーがフルタイム勤務の正社員雇用だったのですが、昨年から雇用形態を各々選べるようにしました。ちなみに、私はもともと正社員だったのですが、業務委託に変えました。なかには、雇用形態は正社員のまま、7割はPARTYにコミットして、3割は他社の仕事をしている人もいますよ。
もともとPARTYという社名は「ドラクエのパーティを組む」に由来していて、いろいろな技を持つ人が集まって面白い作品をつくろう、というコンセプトが根幹にあります。モットーである「未来の体験を世の中にインストールする」ような作品をつくるにあたって、会社がどういう組織であればいいか、どういうメンバーが集まっていたらいいかを常に模索してきました。
働き方改革は時流ですし、メンバーも緩やかに会社とつながって、他社での経験をPARTYに還元してもらったほうが、良い作品が生まれやすいのではないか。そのような仮説を立てて、昨年から多様な働き方の受け入れにトライしています。
東京以外のエリアで、拠点を増やせたらいいなと思っています。地場の人とのコミュニケーションが生まれますし、それまで築き得なかった人脈を形成できると思います。あと、採用面でのメリットもありますね。例えば、京都でしたら任天堂さんの本社があるので、良いエンジニアの人材に出会えるかもしれません。拠点をつくることで新しい出会いが生まれるのであれば、今後もどんどん拠点を増やしていきたいです。
(photo:森田剛史/text:横山由希路)
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