HOME > officee magazine > ワークスタイル > 【UPWARD】スタートアップらしく事業を加速するオフィスーー代表取締役CEO 金木氏インタビュー
2013年、世界シェアNo.1の営業支援・CRM(顧客管理)ツールのセールスフォースと資本提携し、フィールドセールス向けのクラウドサービス『UPWARD』を提供するUPWARD株式会社。同社は営業マンの常識を変えるべく、2016年に横浜から東京へ移転、スタートアップとしての勢いをさらに加速させている企業です。
今回、UPWARD代表取締役CEOである金木竜介氏に、同社のオフィス遍歴や『UPWARD』というサービスおよび営業マンの未来について語っていただきました。(公開日:2017/05/18)
はじめは横浜の日本大通りにオフィスがありました。海辺でIT企業をやるというのはエッジが利いていると思い、その後もみなとみらいで2回移転しています。そして2016年に東京へ移転してきました。
やはり顧客の大半が東京であったこと、またパートナーであるセールスフォースも東京駅にあるため、横浜という場所は私たちにとって「ビジネスの中心ではない」と実感したんですよね。横浜、みなとみらいと聞くとお洒落でイケてる感じはするんですけど(笑)。
ビジネスをより進めていく上でやはり顧客接点を増やしたいですし、セールスフォースとの連携も強化したいと思い、東京へ移転を決めました。
ただ、移転の影響として一番大きかったのは「採用」です。東京へ移転してきた時点でメンバーは8名だったのですが、1年弱で16名まで増えました。東京にオフィスがあるということで応募してくださる人数が増えたんですよね。
移転したことで以前よりもスタートアップ感が増し、チームが団結したなという実感があります。
「スタートアップ感」というのが一番のこだわりポイントです。この東京のオフィスづくりも、メンバーみんなで行いました。IKEAにみんなで行って家具を揃えたり、キッチンをつくったり。スタートアップ感のいいところは、 “家っぽさ” があるところだなと思っています。
以前から、シリコンバレーのスタートアップのオフィスに興味がありました。彼らのオフィスって、昔のオフィスとそもそも違っているんですよね。「こんな世界観いいな」と感じていました。
みなとみらいにいたときは(ネットワーク配線用の)OAフロアがあって給湯室があってエレベーターが4基以上あって……というよくあるオフィスビルだったのですが、事業を加速させるために僕らは、なりふり構わずやらないといけなかった。だから、オフィスもメンバーが一体感を感じられる “家っぽさ” がほしくて。
そもそもインフラはクラウドにあるからサーバールームも必要ないですし、シリコンバレーのスタートアップ企業は従来通りのオフィスではなく、 “家っぽさ” のあるオフィスが理にかなってるんですよ。僕らもスタートアップ感を大切にしようというのが、オフィス設計においてこだわったポイントですね。
オフィスは、「その会社の “らしさ” を示す」上で必要な存在だと考えています。たとえば住所1つとっても、住所に「日本橋」と入っているだけでお客様からの印象って大きく変わるんですよね。
そして、作業をする場所というのは極論どこでもいいと思いますが、集まる場所は絶対必要だと思っていて、情報共有はやっぱり会って話すほうが伝えられるなと。弊社では隔週で全社にビジョンを共有する時間を設けていますし、1ヵ月に1回は必ず締め会をしています。
そういったマインドの共有含め、オフィスを通じて「UPWARDらしさ」をつくっていけたらなと思っています。
位置情報とCRMを組み合わせたフィールドセールス向けのクラウドサービス『UPWARD』を提供しています。サービスを準備し始めたのは2011年、そして2013年にセールスフォースと資本提携し、セールスフォースとのシームレスな連携が実現しました。
こういった業務アプリケーション、特にSFA(営業支援システム)と呼ばれる領域のサービスは、これまで複雑なUI/UXが一般的でした。しかも現場の人間にとって使い勝手が良いかどうかよりも、現場を管理するマネージャーや経営層のためのシステムだったんですね。
そのため正確な営業活動データが入力されず、結果として顧客の状況が見えなくなってしまい、顧客のニーズに即した営業戦略を策定するのが難しい状況が発生していました。
『UPWARD』はそこにメスを入れ、フィールドセールスにおける顧客訪問時の移動や活動報告をラクにし、顧客状況を反映した本当の意味でのPDCAを回すサービスです。
特に、 “かんたんで使いやすい位置情報サービスを提供し、ビジネスマンが快適に働ける世界を実現する” というミッションを掲げており、訪問データをわかりやすく「マッピング」することを意識した設計となっています。
訪問計画や活動報告に費やす時間が約1/4になり、重要性の高い「顧客のための活動」に時間を使えるようになったと実感しています。実際、「UPWARDを導入して、日報をやめました」という企業もいらっしゃいました。
営業マン、特に1日に何件も訪問するようなフィールドセールスの仕事って、本当に泥臭いんですよ。たとえば1日10件まわった場合、活動報告を入力することに一生懸命になってしまい、本当に報告すべき顧客接触の内容が疎かになってしまいがち。というのも、大体は訪問が終わった夕方に営業報告をしたりするため、もう朝に訪問した1件目の内容を忘れてしまったりするんですよね。
しかも、ついついポジティブなことしか報告しなかったりするため、結果的に顧客へのフォローアップができなくなり、ライバル企業に顧客が取られるということも発生してしまう可能性があります。そういった従来型の報告業務では防ぎきれなかった企業の機会損失を、『UPWARD』によってなくしていけているのかなと思います。
そうですね、どこをどうまわるかという訪問計画って本当に面倒で。例えば農業の業界などですと、同じエリアに同じ名前の農家の方が多かったりするんです。そこで自動で効率的な訪問ルートを作成するだけでなく、訪問先の各顧客の詳細情報を表示させる機能も『UPWARD』にはあります。
顧客や商談状況が手にとってわかるようになり、外回りをする営業マンのモチベーションも上がり、売上が倍以上アップしているというケースもあり、我々としてもとても嬉しく思います。
すべての活動報告や精算業務がモバイルアプリケーションで完結し、さらにその一部は自動化されていくため、営業活動結果の機械学習による「個別最適化された営業活動」が自動レコメンドされていくと思います。
営業マンの業務品質の一定化および売上の予測などができ、顧客との会話や提案資料づくりといった本当に顧客のために必要な時間を営業マンは持つことができるようになるはずですし、そうなるべきだと考えています。
営業マンはお客様に会いに行き、しっかりお客様と向き合う時間を確保すべきだと考えています。どれだけテクノロジーが進歩しても、営業において対面でのコミュニケーションは、信頼を獲得する上で非常に重要な “ラストワンマイル” なんですよね。
それなのに非生産的で面倒な業務が多いと、日報を書くために営業をしている状態になってしまったりするわけです。
そこで『UPWARD』は、すべての移動するビジネスマンの面倒なことやムダなことを自動化やAI化でなくし、非生産的な時間から解放することで、ハッピーかつクールな世界にしていきたいですね。
(書き手:永田 優介)
オフィスにお伺いした際、エントランスに名前入りのウェルカムボードを準備してくださり、とても嬉しい気持ちになりました!UPWARDさまのサービスは、無駄を無くすだけではなく誰かと向き合うことの大切さを気づかせてくれるもので、オフィスにもそんなメッセージが込められていると思います。「なりふり構わず」という言葉の通り無駄を切り詰めた設計でありながら、ソファやキッチンを置くなど、人と人とが向き合う時間を大切にされていました。今後の事業展開、オフィス展開を楽しみにしています!
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