HOME > officee magazine > エリア特集 > <後編>梅田再開発の歴史と「うめきた2期」の誕生に迫る
現在、梅田で大規模な再開発が計画されているのをご存知ですか?
その名は、「うめきた2期」。
なんと、駅前に4.5haもの広大な森が誕生するんです。
今回は、梅田再開発のこれまで・これからに注目。
後編では、「うめきた2期」プロジェクトの全貌や、周辺エリアで進んでいる再開発情報についてご紹介したいと思います。
*梅田駅誕生の歴史やグランフロント再開発については【前編】をご覧ください!
(公開日:2019/03/27)
大型ビルがほとんど竣工しない“空白の数年間”が生まれてしまった梅田エリア。
そんな中でようやく具体的になってきたのが、2022年の完成を目指す「うめきた2期」です。
開発対象区画の面積は、なんとグランフロントの2倍以上。
深刻な供給不足に陥っているオフィス市場にとっても、まさに待望の大型プロジェクトなのです。
地権者であるUR(都市再生機構)の公募により、2018年7月に開発事業者が決定しました。グランフロント大阪で開発主導を握っていた三菱地所をはじめ、大阪ガス都市開発、オリックス不動産、関電不動産開発、積水ハウス、竹中工務店、阪急電鉄、三菱地所レジデンス、うめきた開発特定目的会社が参画することに。
そしてURが発表した土地利用計画は、「大阪駅前に広大な都市公園を建設する」というものでした。かつて貨物駅の線路が通っていた場所に4.5haもの緑地が誕生するなんて、想像しただけでワクワクするプロジェクトですよね!
開発対象区域は大きく3つ、北街区(1.6ha)・都市公園(4.5ha)・南街区(3.0ha)に分かれています。
北街区・南街区ともにオフィス・ホテル・住居を建設しますが、それぞれコンセプトが少し異なるそうです。北街区には新産業創出のための施設を設け、イノベーション拠点としての機能を持たせます。一方南街区では、商業・宿泊・MICE施設(ミーティング/研修旅行/国際会議/展示会の総称)を充実させることで、複合都市としての更なる発展を目指していくようです。
中央に位置する都市公園は「うめきたの森」と名付けられ、都心にいながら自然を感じられるエリアになります。URによれば、街全体を包み込む「全面みどり化」に取り組むとのこと。梅田の景観やイメージが大きく変わっていくのではないでしょうか?
ちなみに、「うめきた2期」が完成することで周辺地域にも良い影響があります。梅田スカイビルやウェスティンホテル大阪どがある北西エリアへは、再開発地域を迂回しなければなりませんでしたが、工事完了後は都市公園を突っ切ってアクセスできるようになるのです。
梅田スカイビルの周辺は、中津南公園、大淀中公園などがあり、もともと緑の多いエリア。ビジネス街の中心でありながら自然も豊かで、より一層過ごしやすい街へと変化していくに違いありませんね。
注目すべき再開発は、「うめきた2期」だけではありません。
2019年2月現在、梅田駅周辺では複数の再開発事業が行われているんです。
代表的なプロジェクトを3つご紹介しましょう。
ヨドバシ梅田タワー(2019年秋)
ヨドバシカメラマルチメディア梅田の北側で行われている再開発プロジェクト。
ヨドバシカメラの駐車場があった場所に、地上34階建ての高層ビルが建設中です。
既存のヨドバシ梅田ビルと直結し、さらにペデストリアンデッキでJRへのアクセスも便利になります。
低層階は商業施設、高層階はホテルというフロア構成。
竣工は、2019年秋頃を予定しています。
梅田3丁目計画(2022年2月頃)
大阪駅南側で日本郵便と大阪ターミナルビルが進めている再開発プロジェクト。
大阪中央郵便局、大弘ビル、アクティ西ビルを取り壊し、大型物件を建設します。
用途は、オフィス、郵便局窓口、劇場、商業店舗など。
2022年頃の完成を目指しているそうです。
大阪梅田ツインタワーズ・サウス(2022年春)
大阪駅南側で行われている、大阪神ビルディングと新阪急ビルの建替計画。
事業主は、阪神電鉄と阪急電鉄です。
低層階にあるのは、2018年6月に先行して部分開業した阪急百貨店。
オフィスは1フロア1,000坪以上という規模で、2022年春頃に開業予定です。
「うめきた2期」に加えて、ヨドバシ梅田タワーや大阪梅田ツインタワーズ・サウスといった大型物件が次々と建設されている梅田。2019年から2022年頃にかけて、街の様子が大きく変わっていきそうです。
オフィス市場の動向で言えば、御堂筋沿いにオフィスを構えていた企業が梅田に移転するなど、「梅田回帰」が始まるでしょう。また、古くなった既存の自社ビルを手放し、新築物件の賃貸を選択する企業も増えてくる見込み。新築ビルに移転した企業の「跡地」、つまり移転元のオフィスビルでも、次第に空室が出てきます。
ただし、こうした2次空室が生まれるのは2021年以降になってくる見通し。梅田や大阪周辺の移転が活発化するまで、まだ少し時間がかかるのかもしれません。
再開発事業の動向は、日本経済やオフィス市場の流れに大きく左右されるもの。
今後の展開も注目していきたいところですね。
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