HOME > officee magazine > エリア特集 > なぜ今、田町・三田にスタートアップが増えているのか?
駅前で大型の再開発が進んでいる、田町・三田エリア。
ここ最近、新たな「スタートアップ集積地」として注目を集めているのをご存知ですか?
2018年11月現在、田町・三田周辺にいるスタートアップはこちら。
◆代表的なスタートアップ一覧(50音順)
インディバル:住友芝公園ビル
オーマイグラス:クリエート三田
QUANTUM:第3東運ビル
クリップライン:プレクスビルディング
スマートキャンプ:徳栄ビル本館
TYL:プレクスビルディング
HEROZ:PMO田町
フォトシンス:G-BASE田町
ブレイブソフト:田町フロントビル
マネーフォワード:Msb田町ステーションタワーS
みんなのウェディング:三田国際ビル
ユーグレナ:G-BASE田町
ユーザーローカル:芝520ビル
田町・三田エリアのスタートアップとして、特に存在感があるのがマネーフォワード。2014年に恵比寿から三田へ移転し、その後何度か移転をするも全て近隣にオフィスを構えています。同社が入居しているMsb田町ステーションタワーSは、2018年5月に竣工したばかり。スタートアップだけでなくIndeedやユニー・ファミリーマート、NTTドコモCS、三菱自動車工業などの大企業も移転を発表しています。
また、TYLやクリップラインが入居するプレクスビルディング(旧名:第3アメレックスビル)は、かつてマネーフォワードもオフィスを構えていた物件で、「出世ビル」として有名です。
なぜ今、田町・三田にスタートアップが集まっているのでしょうか?
そこには、いくつかの理由があります。
ベンチャーやスタートアップ(特にIT系)の集積地として長く人気を二分していたのは、渋谷と六本木でした。ただ、ここ数年は空室があまりに少なく、とにかく賃料が高い。10坪~20坪程度のオフィスならまだ借りることができても、人数が増えて拡張移転する頃には物件が見つからず、渋谷・六本木エリアから出ていく企業も少なくありません。
五反田は賃料相場で言えば比較的安いものの、「五反田バレー」で注目を集めている影響か、最近はあまり空室がない状況。直近で再開発の予定がないため、しばらくこの状態は続くのではないかと見られています。また、大手町も三菱地所がスタートアップ誘致に力を入れていますが、まだフィンテックなどが中心。「業種的に大手町という感じではない」と、選択肢から外れるケースも多いのです。
そんな中密かに人気を高めてきたのが、田町・三田。この辺りはまだ空室も多いうえに、賃料もそこまで高くないため、スタートアップにとっては特に好都合。アクセス性で見れば近隣の大崎や品川には一歩及びませんが、賃料が安い小振りのオフィスビルが多いので、移転を考えるスタートアップが田町・三田に流れてきやすくなっています。
他にも、駅前に慶應義塾大学や芝浦工業大学のキャンパスがあるため、学生街ならではのメリットがあります。特に慶応大はベンチャーキャピタル「慶応イノベーション・イニシアティブ(KII)」を設立するなどスタートアップ育成に積極的で、イノベーションのアイデアを事業化しやすい環境が作られつつあります。在学中から起業して、ベンチャーマインドを持った学生を取り込みやすく、採用効果も期待できます。
さらに、田町・三田エリアは飲食環境の良さも申し分なし。ラーメン二郎本店があることでも有名ですが、各所に安くて美味しいお店があります。これも学生街ならではの特徴といえるでしょう。従業員にとって働きやすい環境であることも、その支持を広げる大きな要因となっています。
こうして、徐々にスタートアップが増えつつある田町・三田。駅前の再開発も進み、街の景観が大きく変わっていきます。今後どのような企業がオフィスを構えるのか、その動向に注目していきたいところです。
(公開日:2018/11/26)
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