HOME > officee magazine > ワークスタイル > 【SHOWROOM】「一事業ではなく、一企業としての文化を創りたい」自社オフィスを構えることで生まれた団結感
アーティストやアイドルの動画配信が無料で視聴でき、さらに誰でも生配信が可能な仮想ライブ空間『SHOWROOM』を運営する、SHOWROOM株式会社。DeNAの一事業として2013年11月にサービスを開始し、2015年8月に分社化されました。エンターテインメントとインターネットを掛け合わせ、あらゆる人物や才能にスポットを当てるサービスとして、今各界から注目を集めています。
同社のオフィスは渋谷駅から徒歩10分弱、明治通り沿いに位置しています。現在のビルに入る前までは、親会社であるDeNAのオフィスを間借りしていたのだそうです。SHOWROOMとして初の自社オフィスには、一体どのようなこだわりが詰まっているのでしょうか。CTOの佐々木康伸さんと、経営企画部の佐々木理加さんにお話を伺いました。(公開日:2018/01/10)
佐々木(康):はい。DeNAの新規事業からスピンアウトした後、約1年間ヒカリエにあるDeNAのオフィスを間借りしていました。人員が増えてきて、一企業として自立しようという思いがあり、現在のオフィスに移転をすることになりました。やはりDeNAのオフィスにいると、どうしてもDeNA色が抜けないといいますか…別会社ではあるものの、まだ「一事業」という感覚が残ってしまっていたので、SHOWROOM独自の文化を創りたかったんです。
佐々木(康):渋谷から徒歩圏内というのが、立地を選ぶ上での必須条件でしたね。ヒカリエにいるDeNAとの連携がしやすいこと、スタジオが渋谷にあること、営業が外に出ていくことが多いので交通の便が良いこと、芸能系の事務所が多いことなど、色々な理由があります。
あと、エンタメ色が強い事業を展開している会社なので、渋谷というカルチャーの中心地で、ブランディング力のある場所にオフィスを構えているのは、意義があることだと思いますね。
物件については、もともとこのフロアに入っていた弊社のグループ会社が移転する、という話を聞いて。タイミングがぴったり合った、というのが決め手です。
佐々木(康):実は、執務スペースに関しては前テナントの頃とそんなに変えていないんです。いわゆる、居抜き物件ですね。コストもかなり安く済みました。
佐々木(理):執務スペースに関して入居後に変えたのは、観葉植物を置いて緑を多くしたことと、ミーティング用の机を購入したこと。それ以外は、そのまま受け継いで使っています。また、壁がホワイトボードになっていて、ミーティングで使ったり、社員の写真と名前を書いて覚えられるようにしています。
佐々木(理):休憩室については、かなりこだわって内装を作り込みました。社員同士のコミュニケーションが取りやすいような設計にしています。大きく3つのエリアに分かれていて、ソファースペース、テーブルスペース、バースペースで構成されています。当初は単に「休憩するための場所」という名目で作ったのですが、最近では打ち合わせに使っていたり、普通に仕事をしている人も増えてきて。休憩兼仕事スペースになりつつありますね。
佐々木(理):社内のコミュニケーションが円滑にできるような、リラックスできる空間にしたいと、イメージや要望をお伝えして、建築家の方にトータルデザインしていただいています。執務室が白い壁なので、そちらと分ける意味で、落ち着ける雰囲気を醸し出す暗めの配色にしています。
佐々木(康):僕はソファースペースが好きですね。軽く打ち合わせする時も使えるし、夜にテレビを見ることもできます。ビールを飲みながら、野球やサッカーの試合を観戦したりできるんです。まるで家にいるかのように、まったりとくつろげる場所ですね。
佐々木(理):どのスペースも好きなのですが、一番はバースペースですね。力を入れて作り込んだので、個人的にとても思い入れが強くて。バーが欲しいという要望が社内であがった時に、既成のものを置くのか、一から作るのか、と議論するところから始まったんですよ。結果的に、バーカウンターはオーダーメイドで発注しました。社内の勉強会やイベントなどでドリンクを作ったりして、大活躍しています。
佐々木(康):他にも、常時色んな種類のお酒が置いてあって。ちなみに、終業後はいつでもお酒を飲んで良いんですよ(笑)。
SHOWROOMは、外出や在宅勤務などでオフィスにいない社員も多いので、みんなが一斉に集まれるタイミングがなかなか無くて。飲み会などのイベントをやろうと思っても、夜に仕事が入っている人は来られなかったり。なので、普段からなるべく自然に交流できるように、いつでも思い立った時に飲めるようにしています。
佐々木(康):楽器を飾っているところですかね。サービスの特性上、エンタメらしさを出したかったのと、もともと代表の前田や僕も音楽をやっていたというのもあって。ポール・リード・スミスのエレキギターやESPのベースなど、結構良いものを置いているんですよ。
佐々木(理):インテリアとしても良いですし、ただ置くだけでも遊び心を出せますよね。試しに楽器を触ってみたり、実際に演奏をする人も、ごくたまにいます。
佐々木(康):フレックス制を導入していて、勤務時間については厳密なルールを設定していません。会社全体ではなく、グループ・チームごとの働き方に合わせているんです。それぞれのグループ・チームのリーダーに権限を移譲して、各々でルールを決めてもらっています。
僕はエンジニアのチームをまとめていますが、人によっては自宅作業も週1日程度は認めています。エンジニアって、あまり縛りがない方が働きやすかったりするんですよね。僕自身も会社にずっといたくはないタイプで、家で仕事をしたい時もあるし、一人になって集中したい時もあります。その時々や人に合わせて、働き方をカスタマイズしても良いと思っています。
佐々木(理):勤務時間については、人によって本当にバラバラですね。私は午前中に出社して夕方ぐらいに帰る働き方をしていて、場所で言うとオフィス内にいることが断然多いです。
佐々木(康):オフィスは会社として社員同士の繋がりを唯一つなぎとめられる場所、帰属意識が持てる場所ですね。働き方も多様なので、いくら同じサービスを作っている仲間とはいえ、オフィスがないと会社としての一体感が薄まってしまうと思います。
あと、移転して強く感じるのは、オフィスは「会社を象徴するもの」だということです。DeNAのオフィスに居た頃と今とを比べてみると、会社の雰囲気も社員の雰囲気も全然違うんですよ。
間借りではなく、ちゃんと自分たちでオフィスを構えることで、ここは自分たちの会社なんだ!という“我が物感”が出てきたと思います。自分たちの会社をもっと良くしよう、会社を守ろう、という意識が芽生えはじめたんですよね。提供しているサービス自体は変わっていないけれど、自分たちのオフィスがあるだけで団結感が高まったと思います。そういう意味で、オフィスっていうのはすごく重要ですよ。
佐々木(康):現在成長している事業を伸ばしつつ、新しいことにも積極的に投資していきたいです。日本国内に限らず、海外も見据えて成長していければと思っています。今後は、海外オフィスの開設も検討にあがってくるかもしれません。
今あるオフィスに関しては、人が増えてきているので、環境を日々改善しなくてはいけないと思っています。具体的には、エンジニア向けに色々と施策をしようと考えていて。ワークスペースが狭いとストレスを感じますし、作業効率も悪くなるので、机を大きくしたり、椅子をより良いものにするなどの投資をしていきたいです。中には、オフィスに机はいらないからロッカーだけ欲しい!という人もいるので、働き方についてもより柔軟に、個人個人に合わせて最適な形を作っていければと思っています。
興味のある方は、ぜひオフィスへ遊びに来てください!
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(photo:森田剛史/text:五月女菜穂)
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