
居抜きオフィスとセットアップオフィスの違いは?|メリット・デメリットを解説
「オフィス移転にかかる初期費用を抑えたい」「できるだけ短期間で新しいオフィスへ移転したい」という企業から注目されているのが、居抜きオフィスとセットアップオフィスです。
どちらも一般的な賃貸オフィスと比べて内装工事の負担を抑えやすい一方、「誰が内装を用意したのか」「どこまで設備が整っているのか」などに違いがあります。
この記事では、居抜きオフィスとセットアップオフィスの違いから、それぞれのメリット・デメリット、向いている企業までわかりやすく解説します。(公開日:2026/08/27)
居抜きオフィスとセットアップオフィスの違い
まず押さえておきたいのが、両者の基本的な違いです。
▼居抜きオフィス(居抜き物件)とは
居抜きオフィスとは、前の入居企業が使用していた内装や設備などを残した状態で、次の企業へ引き渡すオフィスです。
一般的な賃貸オフィスでは、退去時に内装などを撤去して原状回復を行います。一方、居抜きオフィスでは、会議室や受付、空調・照明などの設備、デスク・チェアなどの什器を次の入居企業が引き継げる場合があります。
ただし、「居抜き」と呼ばれる物件でも、何が残されているかは物件によって大きく異なります。
たとえば、内装・設備・什器などがほぼすべて残され、最低限の準備だけで営業を開始できるような物件もあれば、デスクやチェアなどは撤去され、会議室や空調・照明といった主要な内装・設備のみが残されている物件もあります。
そのため、居抜きオフィスを検討する際は、「居抜きだからすぐに使える」と考えるのではなく、どの内装・設備・什器を引き継げるのか、入居後にどのような工事や設備投資が必要になるのかを確認することが重要です。
既存の内装や設備が自社のニーズに合っていれば、新たな内装工事にかかる費用や期間を抑え、効率的にオフィス移転を進められます。
▼セットアップオフィスとは
セットアップオフィスとは、貸主側があらかじめ内装や設備を整えた状態で貸し出すオフィスです。
受付や会議室、執務スペースなどがあらかじめ設計されており、物件によってはデスク・チェアなどの什器まで用意されています。
一般的な賃貸オフィスと比較して入居企業側で行う工事が少なく、スピーディーにオフィスを開設しやすいことが特徴です。
▼一番の違いは「誰が内装を用意したか」
両者の違いをシンプルに整理すると、以下のとおりです。
・居抜きオフィス:前の入居企業の内装を引き継ぐ
・セットアップオフィス:貸主が用意した内装を利用する
どちらも内装工事の負担を軽減できる点では共通していますが、コストや内装の自由度、設備の状態などには違いがあります。
居抜きオフィスのメリット
▼初期費用を抑えやすい
既存の内装や設備を活用できるため、ゼロからオフィスをつくる場合と比較して、内装工事費を抑えられる可能性があります。
特に、会議室や受付などの造作に加えて、デスク・チェアなどの什器まで引き継ぐことができる物件であれば、移転に伴う初期投資をさらに抑えられる可能性があります。
ただし、引き継ぐ範囲は物件ごとに異なるため、「何が残っていて、何を新たに用意する必要があるのか」まで含めて費用を比較することが大切です。
▼入居までの期間を短縮しやすい
すでに内装や設備が整っているため、既存のものをそのまま活用できれば、必要な工事を減らして入居までの期間を短縮できます。
特に内装・設備・什器が一通り揃っている物件であれば、移転後の営業開始までをスムーズに進めやすいでしょう。
一方、残されているものが限られている場合には、追加の内装工事や什器の購入が必要になることもあります。
▼内装を実際に確認してから検討できる
完成した内装を実際に見ながら検討できるのも、居抜きオフィスのメリットです。
「会議室は何人で利用できるか」「自社の人数に対して執務スペースは十分か」「実際の動線は使いやすいか」など、図面だけでは判断しにくいポイントを確認できます。
既存のレイアウトと自社の働き方との相性を事前に確認できるため、条件が合えば効率的なオフィス移転につながります。
居抜きオフィスのデメリット
▼内装の自由度が低くなりやすい
既存の内装を活用することが前提となるため、自社の働き方やブランドイメージに完全に合わせたレイアウトにするのは難しい場合があります。
「会議室を増やしたい」「執務スペースの配置を大きく変えたい」など、大幅な変更を行うと追加工事が必要になり、居抜きオフィスを選ぶことで得られるコストや工期のメリットが小さくなる可能性もあります。
そのため、既存のレイアウトをどの程度そのまま活用できるかを確認したうえで物件を選ぶことが重要です。
▼残されている内装・設備・什器の範囲や状態に差がある
居抜きオフィスでは、前の入居企業から何を引き継げるかが物件によって異なります。
内装・設備・什器がほぼ揃っている物件もあれば、主要な内装や設備だけが残され、什器などは新たに用意しなければならない物件もあります。また、残されている設備や什器の使用状況・経年劣化なども確認が必要です。
物件を検討する際は、見た目や賃料だけでなく、引き継げるものの範囲や状態、追加で必要になる工事・什器購入などを確認し、入居までにかかるトータルコストを把握しておきましょう。
また、前の入居者の内装を引き継ぐ場合、将来退去する際の原状回復義務もセットで引き継ぐ契約になるケースが一般的です。入居時だけでなく退去時の条件まで確認しておきましょう。
▼居抜きで入居できる期間が限られている
居抜きオフィスは、居抜きの状態で募集される期間が限られている場合があります。
一般的な賃貸オフィスでは、退去する企業が原状回復工事を行い、入居前の状態に戻してから貸主へ返却します。そのため、居抜きで次の入居企業を募集している物件でも、一定期間内に後継テナントが決まらなければ、原状回復工事が行われ、通常のオフィスとして募集されることがあります。
気になる物件を見つけても、検討している間に居抜きでの募集が終了してしまう可能性があるため、希望条件に合う居抜きオフィスを探すには、定期的に最新の募集情報をチェックすることが大切です。
希望条件に合う物件が見つかった際にスムーズに検討を進められるよう、日頃から情報収集をしておきましょう。
officeeでは、ご希望の条件に合わせて募集中の居抜きオフィスをご案内しています。
セットアップオフィスのメリット
▼オフィスづくりの手間を削減できる
受付や会議室などがあらかじめ整備されているため、レイアウト設計や内装工事にかかる手間を大幅に削減できます。
オフィス移転の専任担当者がいない企業にとってもメリットがあります。
▼短期間で入居しやすい
内装工事が完了した状態で募集されているため、一般的な賃貸オフィスよりも短期間で入居できる傾向があります。
什器付きの物件であれば、さらに移転準備を減らせるでしょう。
▼デザイン性の高い物件が多い
貸主が商品として企画・設計しているため、デザイン性の高い内装を備えたセットアップオフィスも増えています。
自社で大規模な内装投資をしなくても、一定水準以上のオフィス環境を整えやすい点が魅力です。
セットアップオフィスは、入居時の内装工事の負担を抑えながら、デザイン性の高いオフィスへスムーズに入居したい企業に適しています。
実際の物件を見ながら検討したい方は、現在募集中のセットアップオフィスをチェックしてみてください。
セットアップオフィスのデメリット
▼賃料が高めに設定されることがある
貸主が内装工事費を負担している分、一般的な賃貸オフィスと比較して賃料が高めに設定されているケースがあります。
そのため、賃料だけで判断するのではなく、内装工事費などを含めたトータルコストで比較することが重要です。
▼レイアウトの自由度が限られる
セットアップオフィスも、完成済みの内装を利用することが基本です。
「会議室を増やしたい」「執務スペースを大幅に変更したい」といった場合には、希望通りに変更できない可能性があります。
居抜きオフィスとセットアップオフィス、どちらがおすすめ?
どちらが適しているかは、オフィス移転で何を優先するかによって変わります。
▼居抜きオフィスがおすすめの企業
居抜きオフィスは、次のような企業に向いています。
・初期費用をできるだけ抑えたい
・既存の内装や設備を有効活用したい
・短期間でオフィス移転を進めたい
・内装やレイアウトへの強いこだわりがない
・自社の働き方に合う既存レイアウトの物件を見つけたい
特に、既存の内装・設備・什器と自社のニーズがマッチする物件を見つけられるかどうかがポイントです。
引き継げるものを有効活用できれば、オフィスづくりにかかるコストや時間を抑えながら、効率的に移転を進められるでしょう。
▼セットアップオフィスがおすすめの企業
セットアップオフィスは、次のような企業に向いています。
・オフィス移転の手間を減らしたい
・できるだけ早く入居したい
・デザイン性の高いオフィスを利用したい
・内装工事に大きな初期投資をしたくない
特に、オフィスづくりそのものより本業にリソースを集中させたい企業との相性が良いでしょう。
まとめ|違いを理解して自社に合ったオフィスを選ぶ
居抜きオフィスとセットアップオフィスは、どちらも内装工事の負担を抑え、スピーディーな移転を実現しやすい選択肢です。
大きな違いは、居抜きオフィスは「前の入居企業の内装を引き継ぐ」、セットアップオフィスは「貸主が用意した内装を利用する」という点です。
既存の内装や設備を活用して初期費用を抑えたい場合は居抜きオフィス、移転の手間や内装の完成度を重視する場合はセットアップオフィスが有力な選択肢になります。
ただし、実際の費用や設備、契約条件は物件ごとに異なります。
表面的な賃料だけではなく、初期費用・入居までの期間・内装の自由度・退去条件まで含めて比較することが、自社に合ったオフィス選びにつながります。













