HOME > officee magazine > オフィスインタビュー > 【Zaim】リモートワークOKだからこそ大切にしたい場所。自分たちの意思でつくっていくオフィス
“もっと、お金に、楽しさを!”をテーマに、オンライン家計簿サービス「Zaim」を提供する株式会社 Zaim。今回初めて自社単独でオフィスを構えるということで、ご移転をお手伝いさせていただきました。全てが未経験の中で、どのようにオフィスをつくっていかれたのでしょうか。移転の経緯やこだわったポイント、働き方について、経営企画部シニアマネージャの綿島琴美さんにお話を伺ってきました。(公開日:2018/01/30)
綿島琴美さん
もともと「Zaim」のヘビーユーザーで、“お金”というテーマを通じて社会をより良くしたい!という思いから 2015年に入社。入社を機に大阪から上京。広報、採用、新規事業企画の他、家計プランナーとしてユーザーイベントを開催するなど幅広い業務を担当しています。この日は取材のために、オリジナルTシャツとパーカーを着用して出迎えてくださいました!
エントランスは、出来る限り手をかけたいと考えていました。お取引先様などご来訪者の方に対して、きちんとした印象をもっていただきたいという思いがあるからです。また、従業員自身も毎日通る場所なので、1日を気持ち良く始めるためにも、快適な空間づくりを心がけました。エントランスのイメージは、「自分たちで決めた会社の顔」と思えるように最終的に社内でアンケートをとって決定しました。
コーポレートカラーでもある緑を多めにしつつ、側面に鏡をはめ込み横に繋がるイメージで、「どんどん伸びていく」という意気込みを表現しています。向かって一番左側は、すりガラスになっていて太陽光が入ってくるのもポイントです。
会議室は2つあり、それぞれコンセプトが異なっています。
1つは、主に社外のお客さまをお通ししているスペースです。シンプルなつくりですが、一面だけ壁の色を変えてみました。居心地の良い空間であることを第一に考えて淡いトーンの色をベースにしつつ、アクセントとして黒いチェアを置いています。整った空気感を出しつつ、Zaimのサービスのイメージに合わせて堅すぎない雰囲気にしました。
もう1つの会議室は、主にスタッフ同士でのコミュニケーションをとる場所として使っています。内装はZaimカラーの緑を基調としているのですが、色味を加え、少し遊び心をもったデザインにしました。
両方の会議室に、モニタのリモコンやホワイトボードのペンをしまうための収納ケースを置いています。みんながスッキリと使えるよう、雑然としないように工夫しています。
執務エリアも、会議室と同様シンプルなつくりです。雑然とするのが好ましくないので、できるだけ無駄なものを置かないようにしています。大きなゴミ箱は社内には1箇所とし、清潔さを保つよう心がけています。
仕事中にイヤホンをしながら作業をするのもOKなので、直接話すのはもちろん、Slackでやりとりすることも多いです。随時コミュニケーションをとりつつ仕事を進めています。
椅子は基本的にアーロンチェアを使っていますが、他の椅子が良ければ自由に選べるんです。「スタッフが快適に仕事できる環境」を最優先に考えています。
フリースペースの手前にあるのは、みんなで使うウォーターサーバーや冷蔵庫。気持ち良く使えるように、ウェットティッシュや記名用のグッズを備えつけしています。
ウォーターサーバーの隣には、自由に食べられるお菓子コーナーを設置していて、定期的にストックから補充しています。お菓子は、どこか懐かしくて趣のある、駄菓子っぽいものをあえて選ぶことが多いですね。
窓際のスペースは、少し気分を変えたいときや打ち合わせの際に使用しています。今後人が増えた場合は、レイアウト変更して執務エリアにする予定です。
こちらでは、ランチをしたり、お昼寝をしたり、人数の多い打ち合わせの際に椅子を増席して使用したりと、色々な場面で活用しています。窓から光が入るのも心地良いです。
トイレが空いているかどうか一目で分かるライトです。使用中だとライトが点く仕組みで、自社開発しました。トイレまで少し距離があるので無駄足にならないように、と全席から見える壁に設置してあります。今日はちょうどメンテナンス中で点灯している様子をお見せできないんです…(笑)。
創業は当時出資を受けていたクックパッドさんが入居していたMG白金台ビルで、執務室内の1席をお借りしてのスタートでした。クックパッドさんが移転するタイミングで一緒に恵比寿ガーデンプレイスに移り、一部のスペースをお借りして、約2年過ごしました。執務スペースだけでなく、キッチンや会議室まで使わせていただけたので、環境はとても良かったです。
次第にそこが手狭になり、オフィスを探そうとしていたタイミングで、クックパッドさんから独立したトクバイさんとシェアする形で渋谷MKビルに入居し、そこで業務を行っていました。会議室やリフレッシュスペースも共同で使わせていただき、快適でした。
その後双方に事業が拡大し、弊社としてもオフィスを独立しよう、ということになりました。2017年5月頃から実際に物件を探し始めて、2017年10月に現在の神泉のオフィスに移転しました。
予算やエリアなど、物件を探す上での優先順位を決めることです。坪数についても、最初はざっくりとだけ考えていました。今いる人数をベースに、だいたいこれくらいの広さなら入るだろう、といった感じで。
ですが、何年後にどのくらいの人数になるのかを想像したとき、会社やサービス全体のことを考えなければならないんだな、と実感しました。初めての独立オフィスを持つことで、移転することの副次的な意味を知りました。
まず、ある程度の予算を決めてから、エリアを選定していきました。場所ありきで決めてしまうと、予算との兼ね合いで物件のグレードを落とさざるを得ないので、スタッフにとって働く環境が悪化してしまいますし、それだけは避けたかったんです。
当初は、渋谷、恵比寿、目黒などで駅周辺の物件を見ていたんですが、渋谷から少し離れた神泉のエリアだと家賃が抑えられる上に、環境も良いと知って。前のオフィスが渋谷駅付近だったので、「不便になる」と反対されることを覚悟しつつ社内で意見を聞いてみると、全く問題ないという声が多く、すんなりと神泉に決めることができました。
とてもいいんですよ!移転したばかりの頃は、渋谷駅近辺と比べてランチ事情などの心配はあったんです。ただ、最近はみんな周辺のお店を開拓して、その情報をQiita::teamで共有し合ったりしています。プチ情報ですが、この周辺のランチは安くてボリュームも多く満足度が高いです。この辺りにはエンジニアの方が多く働いているので、男性比率が高いことが理由なのではないかと分析しています(笑)。
あと、周辺には旧知のWeb・アプリ系の会社さんが多く、オフィスに遊びに来てくださることもあって。代表がよく、様々な方をお連れしていますね。
交通の便についても、渋谷駅から徒歩圏内ですし、バス停が近くにあり、かつ運行本数も多いのでとても便利です。
スタッフそれぞれがオフィスでの過ごし方に対して自発的になったと感じています。
これまでは他の会社さんと同居していたこともあり、オフィスのことに関してたくさんサポートをしてもらっていたことに気付かされました。今はもちろん、放ったらかしでは何も変わらないですし、自分たちが動かなければなりません。ゴミ出しやお掃除、植物の水やりなどの小さなことも含め、一つひとつルールを作るところから始まりました。
リフレッシュスペースや会議室など、どうやったらもっとうまく使えるのか考えるようになったり、電話の場所はこうしたほうがいいんじゃないか、など気付いたことをどんどんみんなが発してくれます。これは予想外の変化でしたね。
オフィス環境が勝手に良くなっていくことはなく、自分たちでつくっていかないといけない。一人ではできないので、協力し合うし、そのために自然と声を掛け合います。コミュニケーションはこれまで以上に活発になりました。
これまではいわゆる”ヤドカリ”だったということもあり、私たちの人数規模以上の設備が、あらかじめ用意されていました。何から何まで自身で用意しなくてはいけなくなった今、どのようにスタッフの満足度をあげるのか、というのは会社にとって大きな課題だと感じていたんです。でも、みんなが自主的にオフィスを良くしようと動いてくれて、今はとても心強いですね。
「Zaimらしいな」と思うのはコーヒーを淹れる担当が自然と決まること。飲みたいと思った人がSlackで声をかけて、他にも欲しい人がいればその人数分コーヒーを淹れるんです。その役割も常に同じ人ということはなく、後片付け含めて自然にローテーションしていますね。各自が周りのメンバーを思いやり、気遣いながら働いているのはZaimらしいなと感じます。
いちばん特徴的な制度は、早朝からの前倒し勤務制度です。定時は本来10時から19時ですが、朝出勤したいという人が多かったので導入しました。業務開始は5時から10時のあいだで、いつ始めてもOKです。例えば、朝6時に出社して午後3時に帰る、という働き方もできます。
むしろ弊社のエンジニアは案外朝型の人が多いです。朝早いと、夕方以降の終業後の時間を有意義に過ごせますよね。他分野の勉強会にいったり、自分の趣味の時間に充てたり、育児の時間などに使ったり。Zaimは生活を支援するサービスなので、自分たちが生活を良くしていかないと、良いサービスにならないと考えているんです。そのためにも、余暇の時間を有意義に過ごせる良い制度だと思っています。
これは誕生日やリフレッシュのための特別休暇のことです。自分たちが家計簿のサービスを提供しているということもあって、従業員のみんなにも、しっかりと計画を立てて、意味のある時間とお金の使い方をしてほしいと思います。
お昼だと、会社支給のランチ会を定期的に実施しています。オフィス移転をしてから全社でランチをする際は、新しいサービスを試すためにデリバリーを頼んでみたり。最近はあえてバラバラのお弁当を注文して、ジャンケンで争奪戦をして盛り上がっています(笑)。
不定期で夜にも交流会を開催して、業務委託の方や内定者の方、OBOGメンバーなど、Zaimと繋がりのある方々を幅広く招いています。関係者全員が顔を合わせられる貴重な機会ですね。その幹事も会毎にローテーションさせることで、みんながおもてなしする側を体験できるようにして。企画をする大変さや気遣いの大切さを学ぶ良い機会だと考えています。
この交流会は、会社からの労いとしての意味はもちろん、みんなでZaimを作り上げているという再認識する目的もあります。
物理的な観点から言えば、そのものは“箱”にしか過ぎないですよね。そこを良くするも悪くするも自分たち次第なので、どう使いたいか考えて、気持ち良くすごせる場所にしていきたいと思っています。
オフィスは、社内の空気を実感する場所であり、みんなで一緒にいられる場所。みんながいま、どんな熱量で仕事をしているのか、それぞれの仕事はどういう状況なのか、それを実感できる場所として、大切にしたいです。
リモートワークも推進しているので、出社して仕事をする意味、というのは常に考えています。なんてことのないコミュニケーションをしたり、同じ空間にいるからこそ起こる出来事もある。顔を合わせて一緒に過ごすことはとても大事だな、と思います。
わたしたちは、「節約ツール」「資産運用ツール」をつくっているのではなく、世の中の一人ひとりが「好きだ」「楽しい」と思えるものを肯定し、人生でやりたいこと・やるべきことを実現するための支援をしています。なので、自分たち自身の生活を良くする取り組みが、結果としてサービスの向上に繋がるはずだと考えているんです。
オフィスに関しては快適さを第一に、今後人が増えていくなかで柔軟に変化させていきたいと考えています。また、働きやすさという点では、新しい制度を導入するなど色々とチャレンジしていきたいです。もちろん、働き方の幅が広がって自由度が増すほど、ルール作りはしっかりしなければならないので、そのバランス感覚は見失わないように意識しながら。これからも、働きやすい環境を整えるための方法をハード・ソフト両面で常に模索していきたいと思います。
(photo:森田剛史/text:松本阿澄/edit:澤木香織)
オフィスを探す時の方針や姿勢には、各会社さまそれぞれの性格が表れるものだと日々感じているのですが、Zaimさまのオフィス移転には「自社のサービスとスタッフを大事にする思い」が溢れていました。結果的に入居されたオフィスは、内装から使い方に至るまでその気持ちが反映された素晴らしい場所となっていて、そんなご移転に携われたことを嬉しく思います。今後も更なるご活躍を楽しみにしています!
初めて自社のみでの独立したオフィスを構えたZaimさん。何も分からないところから始めて、迷いながら決めていったとのことでしたが、だからこそより一層、ひとつひとつに込められた思いを感じました。自社で事務所を構えることで変わったスタッフのみなさまの意識や、会社としてスタッフ全員が過ごしやすい場所を提供したいという思いやり。そんな社風が随所に散りばめられた、とても素敵なオフィスでした。Zaimのみなさま、取材へのご協力ありがとうございました!
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