HOME > officee magazine > ワークスタイル > 【TERASS】シェアオフィスという選択が、スタートアップの事業成長を後押しする。コストではなく、追い風になるワークプレイスを
テクノロジーとデザインで、暮らすを美しく自由に‥‥そんなミッションを掲げ、ハイエンド不動産を紹介するメディア『TERASS』の運営や、カスタマーと不動産エージェントとを結ぶプラットフォーム『TERASS DIRECT』の開発を行っている、株式会社TERASS。2019年4月に創業し、メンバーを着実に増やしながら成長をしている注目のスタートアップです。
そんな同社が拠点としているのが、シェアオフィス「HOLDER roppongi midtown-side」。代表取締役CEOである江口亮介さんが惚れ込み、入居を決めたといいます。
不動産業界に身を置く江口さんは、なぜシェアオフィスを選んだのか。そして、オフィスという空間にどんな期待をしているのか。詳しくお話を伺いました。(公開日:2019/10/30)
はい、初めからシェアオフィスに絞って探していました。現在は5名で運営しているのですが、これからどんどん事業を拡張してスタッフも増やしていく予定なので、ひとつのオフィスに長くいるつもりはないんです。そういう状況で、家具を自社で購入したり、インフラなど種々の契約をしたりするのは、費用もかかるし非効率的だなと思って。そこで、必要なものがすでに揃っているシェアオフィスを選ぶことにしたんです。
いくつかの候補物件を見ているなかで、ウェブを通じてHOLDERを知りました。入札制で賃料が決まるというおもしろいシステムに興味を持ち、実際に内見することに。「うまくいけば安く借りられるのでは?」という期待もありましたね。
デザインセンスの良さと、質の高い家具が気に入りました。僕、家具には拘りが強いのですが(笑)、本当にいいものを選んでいるなと感心しましたね。例えば貸室に入っているチェアは、デスクワークの時間が長いエンジニアやデザイナーでもストレスなく使えるレベルのもの。会議室などに設置されたホワイトボードは、文字をきれいに消せるガラス製。細かな部分にまでこだわりを感じて、「おっ、わかってるなぁ」と思いました。
それから、これはHOLDERに限った話ではありませんが、受付の方が常駐していて来客対応をしてくれたり、飲み物が常備されていたりというのも魅力でしたね。こういう環境を自分たちで用意しようと思うと、結構なコストがかかるので。
なんといっても立地の良さですね。ずっと六本木か赤坂、溜池山王あたりでオフィスを探していたんですけど、ここは六本木駅から徒歩1分。文句なしです。
当社にとって、立地は譲れないポイントだったんです。高級不動産に関連する事業を展開しているので、イメージは大事にしたくて。
提供しているサービスを軸にご説明すると、まずひとつは、高級不動産の物件情報や上質な暮らしに関するコラムを発信するメディア『TERASS』を運営しています。将来的に価値が下がるリスクが極めて少ない物件のみを厳選し、一つひとつについて詳しい情報を紹介しています。
それからもうひとつは、現在ローンチに向けて準備を進めている、不動産を探すカスタマーと不動産エージェントをつなぐマッチングプラットフォーム『TERASS DIRECT』です。家が欲しいカスタマーが希望条件を入力し、それを見たエージェントが物件の情報を提供するという形のサービスになります。
実は、日本の不動産業界って未公開物件がとても多くて、首都圏だと全体の約3割ほどを占めるんですね。そんな未公開物件の情報をキャッチするには、複数人の不動産エージェントと付き合いながら、こまめにやりとりをしなければなりません。でも、それってなかなかの手間で‥‥。そんな悩みを解決できるのが、ひとつのシステムでエージェントと簡単にやりとりができる『TERASS DIRECT』。特に中古不動産探しをより楽に、スピーディーにできるサービスです。
そうなんです。あとは、スタッフの集まりやすさにも配慮して決めました。六本木駅からすぐのこの場所なら、みんなオフィスに顔を出してくれるかなと思って。
当社はフルフレックス制かつリモートワークもOKで、出社する義務はないんです。僕はほぼ毎日オフィスに来ますが、ひとりだけの日も多いです。エンジニアは、週に1,2回出社するという頻度ですね。
極論をいうと、ビデオ会議などのコミュニケーションツールが発達している今の時代、オフィスがなくても企業活動はできると思います。でも、オフィスを構えることでしか得られないメリットもあって。例えば、集まる場所があるとスタッフのなかに帰属意識が生まれるでしょうし、お互いに直接顔を合わせて話すことでしか伝わらない温度感ももちろんあるはず。僕はそのメリットを重要視しているので、働く場所の選択肢として絶対にオフィスを用意したかったんです。顧客からの信用や採用力の向上にもつながりますしね。
でも、まだまだ人数が少なく、しかも全員が毎日出社するわけではない当社にとって、一般的なオフィスを借りて家具を揃えるのはコストが大きすぎる。だから、シェアオフィスを選びました。当社だけでなくて、多くのスタートアップにとって、シェアオフィスは魅力的な選択肢だと思います。
そう思います。当社を含め、スタートアップは基本的にオフィスよりも事業の拡大に投資したいものですから。今、日本ではスタートアップがとても盛り上がっていて、新しい会社がどんどん生まれています。そういう“これから”の会社にとって、シェアオフィスの存在は追い風になるはずです。
海外ではすでに増えているんですが、“特化型のシェアオフィス”が生まれてくるでしょうね。例えば、女性専用だったり、業界を限定したり。フィンテック専用のシェアオフィスなんかは少し有名ですよね。そうやってそれぞれの色が出てくると、テナントの満足度は上がるでしょうし、入居者同士のコミュニケーションの機会が増えてコミュニティーが形成されるのではないでしょうか。
そうしたシェアオフィスの多様化が、よりスタートアップが生まれる土壌を豊かにしてくれるといいなと思っています。
まずは開発中の『TERASS DIRECT』をローンチさせて、多くのカスタマーが理想の物件と出会えるようにすることですね。また、本サービスを運営していくと、自ずとどの不動産エージェントが優秀なのか評価できるようになると考えています。顧客からの返信率や成約件数を見れば、一目瞭然ですからね。そうしてエージェントをレーティングできるようになると、顧客が自らエージェントを選んで物件の相談ができるようになります。すると、優秀なエージェントはもてる力をより発揮し、かつ正当に評価されるように。そんな未来を見据えています。
あとは、エージェントの業務支援にも取り組む予定です。不動産の売買では契約業務にかかる手間がとても大きいので、不動産探しから購入、その後の契約まで一括して『TERASS DIRECT』でカバーできるようにしたいですね。
今のオフィスが1年後に更新のタイミングを迎えるので、そこまでには出たいなと思っています。今は同エリアの相場より安い金額で借りられているんですが、次はそうもいかないでしょうから(笑)。とはいえ、いいメンバーを揃えて着実に成長していきたいので、無理は禁物ですね。自分たちにできる最速ペースで前進できればと思います。
ちなみに、次に移るオフィスもシェアオフィスでいいと考えています。いつかは自社だけのオフィスを構えたいですが、10〜20人規模だとまだメリットを感じにくいので‥‥。それこそ100人くらいのスケールになったら、その時はこだわりの自社オフィスを構えたいですね。
(photo:森田剛史/text:中島香菜)
株式会社TERASS
会社HP https://about.terass.com/
入居物件 第6DMJビル「HOLDER roppongi midtown-side」
所在地 東京都港区六本木4-12-8
移転時期 2019年8月
利用人数 5名
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