HOME > officee magazine > ワークスタイル > 【ST WORLD】目の前に広がるのは、海、森、そして洞窟!冒険心あふれるエントランスに込めた想いとは
「Travel+Emotion!」をコンセプトとして掲げ、旅行代理店の枠にとらわれず多様なサービスを提供している株式会社エス・ティー・ワールド(以下、ST WORLD)。渋谷にある本社オフィスには、「今までにない新しい旅を創造する」という同社ならではのこだわりが詰まっているそうです。
エントランスに一歩入ると、そこには一般的なオフィスとはかけ離れた別世界が広がっていました。青々とした海や、生い茂る木々。そして、立派な帆を張った一艘の舟。まるで異国の地を旅しているかのような空間です。
細部にまで手をかけてつくったオフィスには、一体どのような想いが込められているのでしょうか。総務人事チームマネージャーの坂井千紘さんと広報チームの鈴木信さんにお話を伺いました。(公開日:2018/01/25)
坂井:ありがとうございます。こちらの本社オフィスは、いくつかのエリアに分かれていて、テーマごとに内装も異なるんです。まず、エントランスに入ると真っ青な床が広がっているのですが、この辺りは「海」のエリアです。よく見ると、海の中にはクジラやダイバー、小さな魚などの絵が描かれています。
「海」のエリアには、弊社の関連団体が所有している帆船「みらいへ」をモデルに、本物の木材でつくった船を置きました。「帆船」の中には座席とテーブルがついていて、来客の方との打ち合わせで使用することもあるんですよ。
坂井:「海」の右手奥には、広めの打ち合わせスペースがあります。この辺りは、弊社の一事業である海外ウェディング・ハネムーンの接客スペースとして利用しています。モルディブ、タヒチやニューカレドニアといった海外リゾートをイメージしました。
坂井:続いて、エントランスから向かって左側をご紹介します。手前にあるのが、「洞窟」のエリアです。大きなモニターで映像を流したり、壁にプロジェクターを投影したりして、イベントを行う際によく活用しています。
坂井:さらに、その奥にあるのが「森」のエリア。ここは通称「mori cafe」と呼んでいます。木のカウンターバーを設置して、ドリンクや軽食を準備できるようにしているんです。植物はすべて本物で、毎日水もあげています。
鈴木:イベント時は社外の方にもご利用いただくのですが、普段は社員もよく利用しています。終業後には、ビール片手にサッカーの試合観戦や映画鑑賞をしたりもします。
坂井:そうですね。照明もあえて暗くしています。さらに「洞窟」には、奥へとつながる細い通路があるんです。初めて訪れた方に、「この先には一体何があるんだろう?」とワクワクしてもらえるような空間を目指しました。
坂井:通路にはいくつか扉がついていて、中に入ると会議室があります。壁に世界地図を飾ったりして、「旅」を連想できるよう工夫しています。
坂井:通路を抜けた先には、私たち社員が働く執務スペースが広がっています。本社オフィスには、管理本部、関連会社、そして海外ウェディング・ハネムーンのセクションが入っており、事業部ごとにいくつかの島に分かれて業務を行っています。
坂井:2014年ですね。弊社は創業からずっと渋谷に本社を置いているのですが、実は「ST WORLD」という社名も「Shibuya To WORLD」の略なんです。1987年の創業時は「渋谷旅行センター」という社名で、97年に変更しました。創業者が前の会社で渋谷エリアを担当していたそうで、渋谷の街に愛着があったというのがきっかけです。
坂井:弊社は、既存のものを組み合わせてパッケージにするような、ありきたりの旅行会社ではありません。自分たちで海外拠点も持っていますし、旅行代理店という枠にとらわれず、どこにもないサービスをお客さまに提供していこう、というのが会社としてのポリシーなんです。
エントランスの内装については、まず「帆船」を会社のモチーフとして定め、そこから「森」「海」「洞窟」へと広げていきました。新しいものを開拓していくというST WORLDの冒険心を表現しつつ、オフィスを訪れた方にもワクワク感を抱いてもらえるよう、内装は非常にこだっています。
鈴木:「森」のスペースは、弊社が2016年から新たに取り組んでいる「旅の学校」というイベントでよく使っています。ウクレレ教室や世界各国の料理教室、インスタ映えする写真を撮るための写真教室など、テーマもさまざま。月1~2回ぐらいの頻度で、いろいろな講師の方をお招きしています。
弊社はオンラインでのご旅行の予約が多いので、お客さまとのタッチポイントを増やすという意味で、この「旅の学校」を開催しています。お客さまにスタッフのことやST WORLD自体を好きになってもらう狙いもありますし、参加された方同士のコミュニティをつくっていきたいという思いもあります。
坂井:やはり、エントランスはお客さまに楽しさを提供する場所であるべきだと思っていて。執務スペースとは役割が違うので、区分しています。ただ、社員もこのエントランスを頻繁に活用しているんですよ。例えば、社内ミーティングで自由な発想ができるようにと、こちらのスペースを使うこともありますし。執務スペースは、ザ・オフィスといったようなごく普通の環境なので、気分の切り替えにもなっていると思います。
鈴木:普段働いている時に、会社のビジョンや想いを意識する機会ってあまり無いと思うんです。ですが、このエントランスは社員が出退勤やお手洗いに行く際に必ず通る場所なので、その都度、会社が大切にしていることを思い起こすきっかけになっていると感じますね。
坂井:海外研修はとても充実していると思います。それぞれ担当する国やエリアがあるのですが、年に1〜2回海外に行くスタッフもいますよ。やはり、サービスを提供する側の私たち自身が、旅先のことを十分に理解することが大切だと思っていて。現地に行くことでしか得られない情報を吸収して、自分たちが心から良いと思ったものをお客さまに届けたいんです。
他の旅行会社ですと、企画担当者しか海外に行けないケースも多いと聞きますが、弊社では直接お客さまと接する販売スタッフも、現地を視察しています。こうした研修を通じて、スタッフの実体験をもとに質の高いサービスを提供する、というのは、弊社の強いこだわりですね。
鈴木:僕も今週末から研修でエジプトに行きますし、1・4・5年目の社員は、先日タイのコムローイ祭に行き、運営を手伝ってきました。
坂井:あと、旅人奨励制度というものもあります。条件はありますが、社員がプライベートで旅行に行く時に、会社から補助が出るんです。
鈴木:はい。僕も以前、夏休みでクロアチアを旅行した際に利用しました。現地のおすすめ情報をお客さまに提供できますし、自分自身も思う存分楽しめるので、とても理にかなった制度です。
坂井:他にも、関連団体の事業で行っている活動「帆船みらいへ」を、弊社の新入社員研修に取り入れています。セイルトレーニングといって、本物の帆船による航海や集団行動、共同生活を通じて、決断力や責任感、コミュニケーション能力などを養う人材育成プログラムなんです。実際に帆を張ったり舵を切ったりして、自分たちの力で大海原を航海するという、とても貴重な経験です。
鈴木:家やカフェなど場所を選ばずにできる仕事もありますが、僕はオフィスで働くことにこだわりを持っています。オンラインで何でもできる時代だからこそ、オフラインはすごく大事だと思っているんです。弊社のエントランスのような遊び心満載な空間は、働くうえでクリエイティビティを与えてくれていると感じます。
坂井:会社としても、社員に楽しく仕事をしてもらうことで、お客さまにワクワクしていただけるサービスをつくっていきたい。それを実現する場所がオフィスだと思っています。社員の気持ちを高めてくれるような存在として、今後もこの場を大切にしていきたいですね。
坂井:オフィスに関していえば、エントランスのような見える部分だけではなく、執務スペースもより良く改善していきたいですね。
オフィスのあり方や形がどんどん変わってきている時代の中で、弊社においては現状あまり執務スペースにこだわりがないのは課題だと感じていて。もっと、オフィスの中でもアイディアを生まれやすくしたり、コミュニケーションを生みやすくしたりしていきたいです。
また会社としては、拠点拡大や人員増加というよりも、どれだけ新しいものをつくっていくか、現地での収益を上げていくかということを目標としています。国内外のスタッフが一丸となって、お客さまのニーズをしっかりと把握し、期待を上回るサービスを提供していきたいです。
(photo:森田剛史/text:五月女菜穂)
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