HOME > officee magazine > ワークスタイル > 【ソニックジャム】オフィスは「セカンドプレイス」から「ファーストプレイス」へ。みんなが快適でフラットに過ごせる空間づくり
WEBサイトの企画・制作、映像・モーショングラフィックス制作、iPhone/Androidアプリケーション開発など、デジタルコミュニケーションの最先端を行くインタラクティブ・デザイン・スタジオとして知られる株式会社ソニックジャム。
同社は、外苑前駅から徒歩3分という好立地にオフィスを構えています。そこには、人が集まる空間を意識したラウンジや、野菜を育てる小さな農園があったりと、「職場」という概念を超えた有機的な空間が広がっていました。
「顔を突き合わせたコミュニケーションこそ大切」と話す、代表取締役の村田健さんに、オフィスのこだわりについてお話を伺いました。(公開日:2017/12/14)
ここに来る前は、渋谷区東で小さなオフィスを借りていたのですが、だんだん手狭になってきたので、ワンフロア90坪くらいの物件を探し始めました。
渋谷、表参道、青山一丁目、恵比寿、代々木あたりにエリアを絞って、いろいろな物件を見たんですが、立地も良いし、広さも十分だし、窓が広くて開放感のある今のオフィスに決めました。前のオフィスは渋谷駅まで徒歩10分以上かかったんですが、今のオフィスは外苑前駅まで徒歩3分の立地。最寄り駅までのアクセスの良さも気に入りました。
あと、意外と大きな決め手になったのが、建物の外壁。いわゆるオフィスビルっぽくないところが気に入ったのと、コーポレートカラーに似た青緑っぽい色も可愛かったんです。これは運命だな、と思いましたね(笑)。
実は、最初は2階の1フロアだけを借りていたんですけど、入居してから3年後くらいに、1階を借り増ししたんですよ。一時的に近所で別室を借りたこともあったのですが、やっぱり同じところの方がいいじゃないですか。そうこうしているうちに、たまたま1階が空いてしばらく埋まらなかったので、これはチャンスだな、と思って増床することにしたんです。
現在、2階は半分が会議室で、半分が執務スペース。そして、1階は半分が執務スペースで、半分がオープンな雰囲気のラウンジになっています。ラウンジはみんなが集まる場所、コミュニケーションスペースですね。仕事の合間に気分を変えられるような場所にしたかったので、床をフローリングにして、カフェのような雰囲気に仕上げました。執務スペースは床がカーペットで、全然雰囲気が違うんです。空間を移動することでオンオフを切り替えるという意味でも、場所によって内装を変えています。
色々なシーンで使っていますよ。普段は打ち合わせをしたり、仕事をしたり。歓迎会などの社内イベントもラウンジで行いますし、外部の人を招いてセミナーを開くこともあります。家具の脚にキャスターをつけて可動式にしたので、簡単にレイアウトを変えることができるんです。
人が集まれる場が欲しいと思って、受付兼バーカウンターを作りました。これは、あえてラウンジの中央に設置したんです。バーカウンターのあるオフィスはたまに見かけるけれど、隅っこに作ってしまうとそのうち使われなくなるだろうなと思って。でも、部屋の真ん中に置けば、そこを必ず通る動線になって、自然と人が集まるようになるので。中に冷蔵庫も置いて、いつでもドリンクを飲めるようにしているので、コミュニケーションの中心の場になっていますね。
夏には、定時を過ぎたらラウンジでビール飲み放題という企画をやったり。自然発生的に“プチ飲み会”が開催されたりして、社員同士の交流も増えたと思います。
屋外の話になるのですが、このビルの敷地内に小さな庭スペースがあるんです。ミニ農園のようにして、弊社の「園芸部」が作物を植えて育てているんですよ。収穫してみんなで食べることもあります。これは1階に入居したテナントならではの特権かな、と思いますね。
2階の会議室にある丸テーブルですね。会議って、序列があると良くないな、と思っていて。発言の重みはみんな一緒なはずなのに、エライ人が言ったら企画が通る、っていうのはおかしいじゃないですか。だから、会議室でも上座・下座を考えなくてもいいような、フラットな円形のテーブルを入れてみたんです。
会議室という空間自体も、緊張感を感じないような雰囲気を意識してつくりました。自由に発想しやすい環境が必要だと思うんですよね。
オフィスのことだけに限らず、毎年、改善委員会というものを開いて、そこで社員の意見を集約しています。最近実施された改善点でいうと、空気清浄機が増えたり、照明が変わったり。その委員会には、絶対僕は入らないようにしていて。社員が自分たちで問題点を挙げて、自分たちで改善していけるような取り組みを行っています。
ソニックジャムはクリエイティブな事業をやっているということもあり、自分たちがいいと思う環境を自分たちで作るんだ、っていう意識がないとダメだと思うんです。一般企業だと、たとえば電球が切れてもほとんどの人はほったらかしで、「誰かが変えるだろう」みたいな他人事の感覚になることが多いですよね。
でも本当は、自分から良くしていこうと思わないと、物事って良くならないことが多い。与えられたものに不満を言ったり、相手や会社が悪いと愚痴を言っていても、何も生まないじゃないですか。大体のことは、自分が動くことで状況が変わっていくものだと思うんです。
改善委員会も、そういう意識を高めるための一環です。自分が参加して決めたことなら、その場にもっと愛着が湧きますしね。
最近は特に、「コミュニケーション」についてよく社内でも話をしています。リモートワークでいいとか、オフィスなんていらない、という考え方が近年取り上げられがちですが、基本的には集まらないと進まない仕事も多いので、リモートワークがうまくいく会社ってごく限られていると僕は思うんです。
うちの場合は、むしろ「もっと集まれ」みたいな方向性を強化しようとしています。リモートだけだと密度が足りないというか。若手を育てるとか、仕事上だけじゃなく+αで人間関係を築くとか、そういうのはリモートではできない。顔を突き合わせる「場」が重要だと思っているんです。
昔からやってみたいのは、一軒家オフィス。毎日お昼ご飯を作って一緒に食べるとか、犬の散歩に行ってくるとか、夜ご飯もみんなで食べるとか。まるで「生活の場」と同じ、みたいな感じです。ある程度人数が増えると、なかなか難しいですけどね。
職場はよく「セカンドプレイス」と言われますが、1日の中でいうとオフィスにいる時間の方が長いくらいなので、むしろ「ファーストプレイス」といっても過言ではないと思うんです。長時間過ごす場所として、オフィスをみんなが心地良く過ごせる環境にしないとな、と思っています。
(photo:森田剛史/text:曽田夕紀子)
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