HOME > officee magazine > ワークスタイル > 【レアジョブ】海外とのリモートワーク連携が当たり前だからこそ行き着いた、人に寄り添うオフィス設計とは?
オンライン英会話サービスである「レアジョブ英会話」、また英語学習アプリやオンラインと通学を組み合せた短期集中プログラム「本気塾」などを展開している、株式会社レアジョブ。オンラインサービスを展開している企業でありながら、ユーザーとのリアルな交流の機会を含め、オフラインでのコミュニケーションを大切にしている企業です。
そんな同社のオフィス事情はどうなっているのか、今回レアジョブの荒川さん(写真左)と渡部さん(写真右)にお話を伺いました。(公開日:2017/05/23)
荒川:一番はじめは、会長である加藤の自宅です。加藤と代表の中村の二人が共同創業者として、夜な夜なサービスをつくっていたというのがレアジョブのはじまりです。
その後「ベンチャーKANDA」というインキュベーションオフィスに移り、2010年までの2年間いました。そして次に渋谷エリアに拠点を移しましたが、が2年も経たずして渋谷内で移転。そしてスタッフ数の増加や事業拡大に伴い、2015年5月にまた移転しまして、いまのオフィス(渋谷区神宮前)になります。
渡部:東京にはアルバイトも含めて150名ほどいるのですが、おかげさまで企業研修など法人向け展開も伸びているため、営業拠点として大阪と名古屋にも支社があります。
荒川:主に2つ理由があります。1つはメンバーのアクセスのしやすさ。特にカスタマーサポートを中心にスタッフの多く渋谷周辺や渋谷へアクセスの良い地域に住んでいたため、このエリアで探していました。というのも、サービスの特性として夜にレッスンを受けるユーザーさんが多く、カスタマーサポートも夜の時間帯での対応が必要なんですね。そのため、メンバーの交通のアクセスがよいところにしたいなと。
もう1つはユーザーとの交流の機会をもっと増やしたいと思っており、ユーザーの方々がアクセスしやすい場所を探していました。また英語の事業を展開している会社なので、外国人観光客が多いこのエリアであれば、ユーザーの方が来たときもそうですし、社員も日々通勤する中、肌で英語を感じられる場所というのもありましたね。
渡部:勉強というのは続きにくいものだったりするので、どうやったら継続できるかというのは、熱心に勉強をし続けるユーザーの方の声を大切にしたくて。
どこの企業も、オンラインでのユーザーアンケートを取られたりしていると思うのですが、同じ言葉でも楽しそうに話しているのと、苦しそうに話しているのとではニュアンスが違ってきます。
そういったユーザーの気持ちを汲み取るためには、やはり対面でお話を聞く機会をつくることは重要なんですよね。そしてユーザーのリアルな声から見えてくる課題などから、サービスのデザインを変えたりもしますし、サービスの運営に活かしていっています。
渡部:どうやったら多様性のあるメンバーの一体感をつくれるか、というのを意識して設計しました。弊社はレアジョブ英会話という1プロダクトで成長してきましたが、メンバーの役割は多岐に渡るんですね。サービスをつくるエンジニア、デザイナーだけでなく、データ解析やプロデューサー、教材をつくる人、ユーザーの英語学習に寄り添うカウンセラー、カスタマーサポート……と本当にたくさんの役割があり、サイトがあるだけではユーザーに価値を提供できないサービスです。
つまり、「テクノロジー」「教育」「ユーザーサポート」の3つが掛け合わさってサービスの価値が生まれるため、逆に言えば社内に集まる各プロフェッショナルが融合しないと、サービスの価値を高められないんです。
そこで具体的にオフィス設計では、メンバー間が自然とコミュニケーションをとれるように「社員同士の目が合う動線」を意識しています。オフィスの中心にテーブルやコーヒーマシンなどを置いているのですが、コーヒーを入れている3分間、歩いている社員と自然と話せる雰囲気になっていたり、執務スペースのすぐ横にソファを置いて雑談ができるようになっていたり。そういった他愛もない会話から企画が生まれる、というのを大事にしていますね。
荒川:あとは会議室や来客スペースは、温かみのあるデザイン、居心地のいいデザインを意識して設計しています。本当は社内に船を置く、くらいのシンボリックなデザインも一つでしたが、ユーザーの方にもオフィスに来ていただくことが多いので、ユーザーの皆さまがよそよそしくならなく、落ち着いて話をできるような雰囲気というのを大切にしました。
渡部:コミュニケーション促進に関しては、会社から支援をしています。たとえばランチ制度。新しく入社した方と部署外の役員を含む管理職メンバーがバディを組んで行うランチ制度であったり、月に一度「クリエイティブランチ」と言って、執行役員からメンバーまで全員をシャッフルさせてチームを組んだランチを行っていたりします。また、飲み会も部門が異なるメンバーでの飲み会には、金銭的にサポートする制度もあります。
他のメンバーがどんなバックグラウンドで生きてきたのか、というのを知れることで一気に距離が縮まるので、今後もランチや飲み会の補助は続けていきたいなと思っています。
渡部:「徹底的に熱量がある人たち同士が話し合う場」ですね。弊社では英会話サービスの講師としてフィリピン人を採用しておりまして、創業時から日本とフィリピン間でのリモートワークというのが当たり前の環境でした。常に、チャットやテレビ電話でのコミュニケーションが当たり前だったんです。
そのためリモートワークの弊害とは常に戦ってきていて、だからこそ直接話し合う価値を理解していますし、実際に会って話して、徹底的に議論することの重要性に気づいているんです。
私たちが展開している教育サービスはある意味「人に寄り添うサービス」なので、対面でのコミュニケーションは社内でもそうですし、ユーザーに対しても大切にしていきたいなと思っています。
荒川:リモートでも業務は進められるんです。ただ、リモートのコミュニケーションって、“遊び”がないんですよね。アジェンダがあって、その通りに進めるので。しかし、新しいアイデアや気づきというのは、遊びのあるコミュニケーションがないと生まれないと実感しています。そういった意味でも、コミュニケーションが生まれるリアルな場作りはこれからも大切にしていきたいですね。
オンラインサービスを展開していながら、オフラインでのコミュニケーションを大切にしているレアジョブさん。海外とのリモートワークが当たり前だからこそ、その弊害を知り、直接会うことの重要性に気づいているというお話は、とても興味深い内容でした。5大陸の名前を付けた会議室や、社員同士の目が会う導線を意識したオフィスからも、他愛のない会話の中で新しいアイディアが生まれることを実感して、直接会って徹底的にコミュニケーションを取ることを大切にされている、ということが感じられました。オンラインサービスでありながら、「人に寄り添うサービス」が広がっていくことが楽しみです。
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