HOME > officee magazine > オフィスインタビュー > 30坪〜50坪 > 【イコールワン】「東京ではなく神奈川へ」社員の暮らしやすさと採用力、事業成長の基盤をつかんだオフィス移転
「お客さまと一生付き合えるパートナーでありたい」ーーそう語るのは、株式会社イコールワンの代表取締役社長・安田錦之助さん。2015年に設立し、保険・不動産・証券などのお金にまつわることから、人生におけるライフプラン設計やキャリア相談までワンストップで引き受けるコンサルティングサービスを手がけています。
同社は2018年11月、東京都の田町から横浜市のみなとみらいにオフィスを移転しました。今回はオフィスを移転した経緯やその背景にある思い、事業内容や今後の展望まで幅広くお話を伺いました。(公開日:2018/12/18)
はい。創業時は東京のマンションの一室で、自分ひとりだけでした。それから社員が増えてきて、東京・田町で初めてオフィスを借りたんです。最初は人数に対して広すぎたかなと思いつつ、「次の更新時には人がパンパンの状態で出よう」と話していたら、ありがたいことに14人にまで増えて、無事にその通りになりました。
今回更新のタイミングで新しいオフィスを探し始めたわけですが、最初は都内しか見ていませんでした。ただ、都内だと予算内でイメージ通りのオフィスが全然見つからなかったんです。
もともと僕個人としては、「会社と家は近い場所にあるべき」という考え方で。満員電車でストレスフルな時間を送ることは、生産的ではありませんからね。でも、都内にオフィスを構えて職住近接を叶えようとすると、必然的に社員も高い家賃を支払わなければなりません。特に若い新入社員にとっては、給料の大半が家賃に消えてしまう。加えてうちの社員には結婚している人も多いので、彼らのご家族のことを思うと住む場所は生活環境の良いところであってほしい。
そう考えていたときに、少し足を伸ばして横浜のほうで探してみたら、東京と比べて大幅にオフィスの賃料を押さえられることを知ったんです。住宅の家賃も東京より格段に安いですし、近隣の住環境も申し分なく、これは良いなと。家からオフィスが遠くなってしまう社員もいたので、引っ越し費用を会社が負担することで解決し、こちらに移転することを決めました。
そうですね。やはり、一番大切なのはここで働いてくれている社員です。それに我々はお客さまの資産形成をサポートする会社ですから、そもそも自分たちの資産形成ができなくては話になりませんので(笑)。
駅直結でアクセスが抜群にいいことや、下の階に食堂がついていることなど、様々な理由があるのですが‥‥このクイーンズスクエアが有名な建物というのも大きな決め手のひとつです。
正直、どんなにいいオフィスに入っても、それで会社の売り上げが直接的に変わるわけではありません。でも、採用にはダイレクトに響いてくるんです。オフィスがいわゆる“映える”会社だと、ちょっと受けてみようかなというきっかけにもなる。弊社はまだベンチャー企業ですから、少しでも多くの求職者に興味を持ってもらわなければなりません。今後若い人を増やしたいと考えていますし、採用面での効果を一番意識しましたね。
そして新卒の新入社員などが入る時に、その社員の親御さんにも「ベンチャーだけどこのビルに入っているなら安心ね」と思っていただきたい、そんな理由もあります。
はい。オフィスの規模感を考えると、自分でやるのではなくプロの方に頼む必要があるなとは思っていました。若い人が働く空間にしたいから、若い人にこそデザインを考えてほしい。そう思っていた時、取引先の方から実績のある20代のデザイナーさんを紹介していただいて。お会いしてすぐに依頼しようと決めました。
イコールワンの企業文化や価値観を反映したオフィスにしたいと考え、“日本”をテーマに設定しました。私が以前京都を見て回ったり、座禅を組んだりしていた時にこの会社を作ることを決めた経緯もあり、日本から世界に羽ばたいていきたいという思いがあるんです。だからこそ、メイドインジャパンの思いを強く込めたオフィスに仕上げています。たとえばエントランスの壁の色は「墨色」など、伝統的な和の色を使っています。
気づいてくださってありがとうございます!おもてなしと言うほどではありませんが、ちょっと気の利いた、さりげない気遣いが出せたらいいなと思い、小さなサプライズを随所で実施しているんです。
社内のお知らせや、活躍している社員の紹介などを表示しています。これもサプライズのひとつですね。さまざまな情報を見える化しておくことが非常に重要だと感じていて。分かりやすさだけでなく、社員のモチベーションにもなりますからね。これらも含めてデザインをお願いしました。
私たちが行っているのは、いわゆる「お金のコーチング」。生命保険や不動産、株式投資など幅広い分野のサポートをワンストップで提供することができる、というのが我々の強みです。
例えば「資産運用のために不動産を購入したい」と考えている人が、不動産屋さんに行く。これはごく自然のことですよね。買いたい人の目的・手段が明確ですから。一方、「どのように資産を運用すればいいのか分からない」という人が不動産屋さんに行っても、不動産の商品しか提案してもらえません。資産形成とは本来複合的な視点で捉えるべきで、現在の生活状況や今後のライフプランにあわせて、1人ひとりにベストな選択肢を提示することが重要なのです。
「お金のコーチング」と言いましたが、私たちのサポートは金融商品の提案だけにとどまりません。必要に応じてキャリア相談なども受けさせていただいており、時には転職をお奨めすることもあります。
特にこれからの若い世代は、徐々に親の世代のお金が降りてきます。しかし、いざお金を手にした時に何から手をつけていいか分からないという人が多いのも事実です。こうした方々が安心してご自身の資産を形成できるよう、さまざまな側面からコンサルティングをしていければと考えています。
東京と比較すると人口自体は少ないですが、人口に対する同業他社の数が圧倒的に少ないので、競合優位性が高いんです。それに、神奈川は所得も東京に次いで2位ですし、むしろ家賃などが安いので可処分所得は東京よりも多かったりします。
加えて、神奈川は東京に比べて業界の高齢化が進んでいます。私たちは生命保険会社や損害保険会社、証券会社など、さまざまな企業と業務提携をしていますが、こうした業界では後継者不足に悩んでいる会社が多いんです。そこで、我々のような若い会社が入っていくことにも価値があるのではないかと考えました。
神奈川にとって必要な企業となっていけば、地場の企業との連携もしやすくなっていきますよね。そういった未来も見据えています。
神奈川の次は、日本。そして最終的にはアジアへと展開していきたいと考えています。特にこれから世界1位の人口となっていくインドはビジネスを進める上でチャンスであり、発展途上の国でこそ必要となるサービスだと思っています。
ビジネスをしているとどうしても東京を見てしまいがちですが、私たちは地方でサービスを提供してこそ意味があると考えていて。だんだんと人口が減っていく地方では、企業が事業を撤退してしまうことも多く、サービスの質が落ちてしまう。そうならないためにも、私たちが東京と同等あるいはそれ以上のサービスを提供することに価値があると思うんです。
お客さまに幅広い分野でのご提案ができるよう、社員の教育も非常に重要です。保険ひとつをとっても知っておくべき知識は膨大にありますから、常にベストな提案ができるようになるためには日々アップデートされる情報を収集しておく必要があります。研修やOJTだけでなく、社内で勉強会を開くなどして、全員が知識を身につけられるよう日々奮闘しています。
新しいオフィスになって社員のモチベーションも上がりましたし、今後採用も強化していく予定です。これからも「お客さまと一生付き合えるパートナー」を目指し、全社一丸となって精進していきたいと考えています。
(photo:森田剛史/text:雨宮美奈子)
株式会社イコールワン
会社HP https://www.equaloneholdings.com/
移転先 クイーンズタワー C棟
住所 横浜市西区みなとみらい2-3-5
移転時期 2018年10月
移転規模 約21坪→約39坪
利用人数 14名
元々横浜や川崎なども含めた広いエリアで物件提案をしたのですが、その中でみなとみらいのクイーンズタワーC棟だけを内見され、即断即決でお申込を入れたイコールワンさま。ベンチャーならではのスピード感を感じつつも、正直「本当に1棟だけで大丈夫なのだろうか?」と思っていましたが、今回の取材でその背景や考え方を知り、非常に納得することができました。また、経営戦略から見た“オフィス移転の意味”というものも非常に考えさせられたインタビューでした。新しいオフィスが、今後イコールワンさまの更なる成長に繋がっていくことを期待しております!
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