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【サイバー大学】セキュリティ対策と開放感、相反するテーマを両立させたオフィス移転。モチベーションアップにもつながる空間に

福岡市にキャンパスがある「サイバー大学」は、ソフトバンクグループが設立した“いつでも・どこでも”学べる新しい形の通信制大学です。授業はすべてオンデマンドで受講できるので一切通学不要、パソコンでもスマホでも24時間どこにいても授業を受けることができます。

同大学の一部の運営業務を担っている東京オフィスが2019年9月に移転。今回47グループでは、内装づくりのお手伝いをさせていただきました。今回は完成後の新オフィスにさっそくお邪魔して、学長の川原洋さんにお話を伺いました。(記事公開日:2019/11/27)

セキュリティの厳守と開放感の演出、どちらも実現したオフィス空間

サイバー大学_◯◯

エントランス

── 今回のオフィス移転の経緯を教えてください。

オフィスが手狭になっていたので、ワンフロア150坪以上の広さがある物件を探していました。以前は3フロアに分かれていたため、コミュニケーションが取りづらく、業務効率が落ちていました。また、階段やエレベーターホールなど、執務室以外の余剰スペースが多く、床面積をうまく活用できていないことも課題でした。

場所は、芝公園1丁目(3フロアのオフィス)から芝公園2丁目の芝公園フロントタワー7階へ。「サイバー大学」の株主であるソフトバンクグループ本社に行く機会も多いので、比較的近い場所というのもポイントでしたね。

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── オフィスの内装で重視したテーマを教えてください。

情報セキュリティを守るためのオフィスの「物理的な区分け」と、働きやすい環境をつくるための「開放感」の両立です。

「サイバー大学」はインターネット大学でありながら、クラウド型eラーニングシステムの企画から開発・販売までを行うIT企業という一面も持っています。オフィスは、学生の個人情報の厳格な管理と、システム開発と運営のセキュリティの両方を守る構造であることが大前提です。業務内容とセキュリティの重要度に応じて、それぞれの執務室のセキュリティレベルが異なります。一般に公開できるエリアは「L1」、通常の執務室は「L2」、そしてもっともセキュリティレベルの高い執務室は「L3」と分かれています。L3の部屋に関しては入室できるスタッフを限定するほか、持ち込めるものも制限されています。

一方で、フリースペースについては、大きな窓と眺望を活かして開放的な空間にしたいと思いました。また窓から注ぐ陽の光が室内の奥まで届くよう、間仕切りは壁ではなくガラスを使っています。47内装さんにオフィスのコンセプト設計の段階からサポートしていただき、相反するテーマをどちらも実現させることができました。

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フリースペース

席のバラエティに富んだフリースペースや、細部にこだわった会議室

── 内装をつくっていくにあたり、工夫したところを教えてください。

スタッフからは「開放的なところで仕事がしたい」「集中できる空間がほしい」といった要望があがっていたので、47内装さんにアイデアをいただきながら、自席のほかにさまざまな種類の席を設置しました。

たとえば、ソファ席、コの字型の1人席、6人がけのファミレス席、立ったまま作業ができる昇降デスク、カウンター席、一人用遮音ブースなどがあります。スタッフは各々の好みやそのときの気分、仕事内容などに合わせて、働く場所を自由に選べるようになっています。

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── スタッフの方からとくに好評のスペースはどこですか?

両サイドがガラス張りになっている電話ブースですね。最初は正直、「いらないのでは?」と思っていたのですが、47内装さんに「自社にもあり非常に人気です」と強く推されて。実際に入れてみたところ、一番人気となりました!

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電話ブース

先ほども、Webカメラを使って営業活動をしているスタッフがいました。自席だと商談の声で周りの人に迷惑になることもありますよね。電話やWeb会議専用の空間を使うことで、そういった問題が軽減されていると思います。

しかもこちらの電話ブース、フリースペースの窓際のちょっとした隙間にぴったりと入ったんですよね!これには驚きました。デッドスペースが有効活用できただけでなく、コーナーのアクセントになりました。

── 細部でこだわっている場所はありますか?

会議室のライトです。こちらも、自分たちで決めるよりプロにお任せしてバランスをみてもらった方がいいと思い、47内装さんにお任せしました。

すると、各部屋のスペースや雰囲気に合わせたライトを提案してくれて。1部屋1部屋、全部違うデザインなんです。ライトの色や明かりのやわらかさを部屋ごとに変えるというアイデアは、自分たちでは思いつかないものだったので、お任せして大正解でしたね。

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同じライトでも昼と夜で雰囲気がまったく異なるので、テーマによって会議の時間を変えれば、話し合いの質も高まるのではと期待しています。

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── 会議室の名前が「芝」「大名」など地名になっていて気になったのですが‥‥どんな由来があるのでしょうか?

会議室の名前は、スタッフからも色々と意見を出してもらいながら検討して、最終的にはサイバー大学の拠点がある、もしくは由縁のある地名をつけました。たとえば「芝」は東京オフィスのフリースペースの眼下に広がっている芝公園から、「大名」は福岡キャンパスのサテライトオフィスを構えているWeWork大名から、といった風に命名しています。

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コミュニケーションが活発になり、業務の進行がスムーズに

── オフィスを移転してから、社内ではどんな変化がありましたか?

まず、スタッフの気持ちが大きく変わりましたね。また、ワンフロアになったことで、何かあるとすぐ対面で会話できるため、業務の進行がスムーズにもなりました。

たとえば、スタッフ間のリアルタイムのコミュニケーション。これまではメールで送信していましたが、見ていない人がいたり、情報共有のタイムラグが発生したりという課題がありました。しかし今は「ちょっといいですか」とお互いに声をかければ、その場で伝わります。以前の3つのフロアに分かれていたオフィスで不便に感じていたコミュニケーションの問題は、おおむね解消されました。

またフリースペースをつくったことで、働く環境にメリハリができたように感じます。それぞれの執務室も、業務がしやすいだけでなく心休まる空間にもしたいので、これから空いている壁に絵や写真を飾る予定です。

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フリースペースから見える東京タワー

── 社内外の人からの新オフィスへの反応はどういったものがありますか?

移転後のオフィスに訪れた学生や、外部のお客さまからは、非常にいい印象を持っていただけています。公式SNSでオフィス移転について投稿したところ、今年度最多の「いいね」がつきました。こうした社外からの高い評価を見て、スタッフも新オフィスでワクワクしながら働いてくれるでしょうし、モチベーションも上がるのではと期待しています。

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── 改めて、サイバー大学さんの事業内容についてお聞かせください。

「サイバー大学」は、2007年に文部科学省より認可を受けて開学したソフトバンクグループの大学です。授業はもちろん、試験もすべてオンライン。一度も通学することなく、4年制大学の卒業資格を取得することができます。

学生の半数以上が社会人であることも特徴の一つです。IT・ビジネスの専門知識や技能の習得など、スキルアップやキャリアアップを目指す方が多く、時間や場所を選ばずに学べることが入学の決め手となっています。

── 最後に、今後の事業の展望について教えてください。

メイン事業である「オンライン高等教育」の先端を走りつつ、システムも開発できる大学として、今はまだ世の中に存在しない新しい事業を生み出していきたいですね。

すでに他大学や企業にも授業コンテンツを提供しているのですが、今後は参画いただける組織の数をさらに増やして、魅力的な研修・教育内容をタイムリーに共有し、人材育成の支援ができるエコシステムをつくりあげていきたいと考えています。

(photo:森田剛史/text:上條真由美)

サイバー大学

会社HP https://www.cyber-u.ac.jp/

入居物件 芝公園フロントタワー

所在地 東京都港区芝公園2-6-3

移転時期 2019年9月

利用人数 約50名

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取材を終えて

内装担当:永澤

内装担当:永澤

ワークプレイスの意匠設計から工事、新規の家具調達まで一括でお手伝いさせていただきました。ご移転までのスケジュールがタイトな中、何度もお時間をいただき、我々が一方的に提案をするというよりも、一緒になって本プロジェクトを進めていくことができました。ご移転後に何度かオフィスにお邪魔したのですが、働かれている社員の方々からお褒めの言葉をかけていただき、本当に嬉しく思います。今後のサイバー大学様の益々のご活躍を楽しみにしております!

設計担当:吉田

設計担当:吉田

「うちには優秀なスタッフが沢山いる。その人達が最大に力を発揮できる場にしたい」と川原様がおっしゃっていたのが、とても印象に残っています。その思いを実現するべく一緒に挑戦させていただいた、そんなプロジェクトでした。オフィス家具を実際に見て触れて、こだわりをもって選定されている一方で、会議室の照明などをまるっとお任せいただく場面もあり、設計担当として非常に嬉しかったです。これからこのオフィスに、どのようなサイバー大学様「らしさ」が出てくるのか、とても楽しみにしております。この度はありがとうございました!

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