
オフィス移転の準備でやることをチェック!|失敗しないオフィス移転マニュアル【移転準備編】
オフィス移転は、新しい物件が決まり契約を終えたら一段落、ではありません。実際にはここから、「引越し会社の手配」「各種届出」「インフラ整備」「社内外への案内」など、多くの準備が一斉に始まります。
この段階でスケジュール管理や手続きを怠ると、「電話がつながらない」「郵便物が届かない」「登記変更が間に合わない」といったトラブルにもつながりかねません。
本記事では、オフィス移転マニュアル第5弾として、移転準備で押さえておきたいポイントを詳しく解説します。(公開日:2026/08/18)
オフィス移転準備は"段取り"が成功のカギ
移転準備で重要なのは、「何を・いつまでに・誰が行うか」を整理することです。
特に移転直前は、通常業務と並行して数多くのタスクが発生します。担当者だけに負荷が集中すると、重要な手続きの漏れや発注ミスが起こりやすくなります。
まずは全体スケジュールを作成してタスクを一覧化し、期限を設定して進めましょう。
・引越し関連
・行政手続き
・インフラ整備
・社内外への周知
・備品・印刷物の準備
引越し会社の見積もり・発注は必ず複数社で比較する
オフィス移転では、引越し会社選びが費用にも作業品質にも大きく影響します。
法人向け引越しサービスには、大きく分けて以下のようなタイプがあります。
・引越し全体をワンストップで対応する会社
・運搬のみ対応する会社
・レイアウト変更や家具設置まで対応する会社
・IT機器・サーバー移設を得意とする会社
サービス内容が異なるため、単純な料金比較だけでは判断できません。
【見積もり時に伝えるべき内容】
正確な見積もりを取得するためには、以下の情報を整理して伝えます。
・現オフィス・移転先の住所
・移転希望日
・エレベーターの有無
・荷物量
・OA機器の台数
・金庫や大型什器の有無
・廃棄物処分の有無
・レイアウト変更の有無
情報が不足すると追加料金が発生するケースもあるため、できるだけ具体的に伝えましょう。
【必ず複数社から相見積もりを取る】
オフィス移転費用は、業者ごとに料金体系が異なります。
最低でも2〜3社程度から見積もりを取得し、以下を比較したうえで決定することが重要です。
・価格
・作業内容
・保険内容
・作業人数
・スケジュール
・実績
価格だけで決めるのではなく、「どこまで対応してくれるのか」というサービス範囲も確認しましょう。
法務局への届出
会社所在地が変更になる場合は、法務局で登記変更手続きが必要になります。
提出先は、移転前を管轄する法務局です。ただし、移転内容によって必要書類は異なるため、事前に確認しておくと安心です。
特に本店移転では、以下の手続き等が必要になる場合があります。
・定款変更
・類似商号の調査
・商号の仮登録(必要な場合のみ) など
また、登記申請には期限が設けられているため、司法書士へ依頼するケースも少なくありません。
税務署への届出
登記変更後は、税務署への届出も必要です。
一般的には、以下を提出します。
・異動届出書
・給与支払事務所等の移転届出書
提出先は、移転前・移転後それぞれの所轄税務署です。
登記簿謄本(または抄本)の添付が必要になるため、登記完了後に早めに準備しましょう。
地方税事務所・自治体への届出
都道府県税事務所や市区町村にも所在地変更の届出が必要です。
提出する書類は自治体によって異なりますが、一般的には以下のとおりです。
・異動届出書
・登記簿謄本
こちらも移転前・移転後双方への届出が必要になるケースが多いため、事前に確認しておきましょう。
電話・インターネットなど通信環境の手続き
電話回線やインターネット回線は、移転後すぐに業務を開始するための重要なインフラです。
電話の移転手続きは、おおむね1か月前から受け付けています。
現在利用している電話局と、移転先を管轄する電話局で手続きを行い、以下を準備します。
・契約者名
・移転先住所
・登記簿謄本などの確認書類
また、旧番号への着信案内サービスを利用できる場合もあります。
一定期間は旧番号へ電話した相手に新番号を案内できるため、顧客対応への影響を減らすことができます。
なお、インターネット回線は開通まで数週間から数か月かかるケースもあります。繁忙期はさらに時間を要することもあるため、電話回線と合わせて早めの手配がおすすめです。
郵便物の転送手続きを忘れずに
取引先へ住所変更案内を送っても、しばらくは旧住所宛に郵便物が届くことがあります。
郵便局へ転居届(法人の移転届)を提出すると、旧住所宛の郵便物を新住所へ転送してもらえます。一般的には1年間転送されるため、重要書類の受け取り漏れ防止につながります。
提出自体は簡単ですが、意外と忘れやすい手続きの一つです。
リース契約や保険など各種契約も住所変更を
オフィス移転では、行政手続きだけでなく契約情報の変更も必要になります。
代表的なものは、以下のとおりです。
・リース機器会社への住所変更
・複合機・コピー機
・サーバー保守会社
・損害保険
・火災保険
・各種保険契約
・購読新聞
・セキュリティ会社
・ウォーターサーバー など
住所変更を忘れると請求書が届かなかったり、保守サービスに支障が出たりする場合があります。
契約一覧を作成し、変更状況を管理すると漏れを防げます。
名刺・封筒・会社案内など印刷物の準備
会社住所が変わるため、各種印刷物も更新しなければなりません。
例えば、以下が対象となります。
・名刺
・封筒
・会社案内
・パンフレット
・チラシ
・契約書フォーマット
・社判
・ゴム印
名刺は移転直後から使用するため、遅くとも移転2週間前には印刷が完了している状態が理想です。
なお、住所を印刷する際は「登記簿上の地番」ではなく、実際に郵便物が届く「住居表示」であることを必ず確認しましょう。
社内外への移転案内も計画的に
移転日が決まったら、社員だけでなく取引先や顧客にも早めに案内を行います。
ホームページやメール署名、Googleビジネスプロフィール、各種会員登録情報なども新住所へ変更しておくと、移転後の混乱を防げます。
また、移転当日は通常業務が止まる場合もあるため、営業日や電話受付時間についてもあわせて案内すると親切です。
オフィス移転準備チェックリスト
移転準備はタスクが多岐にわたるため、抜け漏れ防止のためにもチェックリストを活用しましょう。
【引越し・設備】
◯ 引越し会社の相見積もりを取得した
◯ 引越し会社を決定・発注した
◯ OA機器や大型什器の搬入方法を確認した
◯ 不用品の廃棄・買取手配を行った
【行政手続き】
◯ 法務局への登記変更手続きを確認した
◯ 税務署へ異動届出書を提出した
◯ 地方税事務所・自治体へ届出を行った
【インフラ】
◯ 電話回線の移転手続きを行った
◯ インターネット回線の開通日を確認した
◯ 郵便物の転送届を提出した
【契約・備品】
◯ リース会社へ住所変更を連絡した
◯ 保険契約の住所変更を行った
◯ 印刷物(名刺・封筒など)を発注した
【社内外への案内】
◯ 取引先へ移転案内を送付した
◯ ホームページ・会社概要を更新した
◯ メール署名や各種登録情報を変更した
まとめ|事前準備がスムーズなオフィス移転につながる
オフィス移転準備では、引越し業者の選定だけでなく、行政への届出や通信インフラ、契約変更、印刷物の更新など、多くのタスクを並行して進める必要があります。
特に各種手続きには期限が設けられているものもあり、直前になって慌てるケースは少なくありません。
チェックリストを活用しながらスケジュール管理を徹底し、一つひとつ着実に進めることが、移転当日をスムーズに迎えるためのポイントです。
新しいオフィスで気持ちよくスタートを切るためにも、「移転準備」は余裕を持って取り組みましょう。
次回のオフィス移転マニュアル第6弾では、「新オフィスの運用」をテーマに、移転後のオフィスをより快適で働きやすい環境に育てていくためのポイントをご紹介します。ぜひ続けてご覧ください。










