
OAフロア(フリーアクセス)設置時の注意点は?素材の種類や費用について
オフィス物件の選定においては、立地やビルグレード、予算などが判断基準となることが多いですが、いざレイアウトや内装決めの段階になってくると、天井の空調や床のフロア形状、共有部の印象などが重要なポイントになってきます。
officee magazineでは、過去に天井を抜くことや空調の種類などを特集しましたが、今回のテーマはオフィスの「床」についてです。
オフィス移転時の知識・ノウハウとして、ぜひ押さえておきたいOAフロア(フリーアクセスフロア)の素材や高さ、設置時の注意点についてまとめました。
OAフロア以外の床仕様(Pタイル/2WAY/3WAY)については、こちらをご覧ください。
(記事公開日:2019/09/04|最終更新日:2025/11/19)
そもそも「OAフロア」って何?
OAフロアのOAとは、「オフィスオートメーション」の略称。床を二重構造にして、隙間に30mm~100mm程度の空間がつくられています。別名フリーアクセスフロア・床上げとも呼ばれている仕様です。床上げされた隙間には、パソコンの電源コードやLANケーブルなどを収納します。

OAフロアのメリットとしては、
・カーペット上に電源コードやLANケーブルが露出しないため、見栄えがきれい
・配線につまずいて怪我をしたり、ケーブルの断線・機械が故障するリスクが減る
・レイアウト変更の際はフレキシブルに対応しやすく、デスクの配置変えなどが容易
といったことが挙げられます。
一方、OAフロアのデメリットとしては、
・後から設置すると天井高が低くなり圧迫感を感じやすい
・後から設置するとスロープや段差ができ、デッドスペースができる
・素材によっては耐荷重が小さい
といった点です。
たとえばサーバールームやデータセンターをつくる場合、サーバーラックの荷重は1トンに及ぶこともあります。そのため、一般的なOAフロアでは荷重に耐えられません。
貸室全体ではなく一部だけで十分な場合は、「ヘビーデューティーゾーン(※1)」を設け、OAフロアの素材を部分的に変更するなど工夫が必要になってきます。
金庫や業務用印刷機、レールスライド式書庫など、重たいものを置く場合も同様です。
(※1)ヘビーデューティーゾーン・・・サーバーラックや金庫、書庫など荷重が必要な施設を置くため、床の一部分の床荷重を補強500kg/平米以上に強化しておくスペースのこと。
OAフロアの素材とコスト
一口にOAフロアと言っても、様々な素材でつくられた製品があり、メリット・デメリットも少しずつ異なります。
・コンクリート製
・鉄板製
・プラスチック(樹脂)製
・超高強度軽量コンクリート製+鋼板
・セラミック製
・木質パネル+樹脂製支柱
例えば、コンクリート製や鉄板製のOAフロアは床荷重が大きいという利点がありますが、OAフロアのブロック自体が非常に重いです。素人が容易に動かしたりできないという部分はネックです。また、弱電の引き込みなど工事面で費用がかかります。
一方、プラスチック(樹脂)製や超高強度軽量コンクリート製+鋼板は一般的に流通しているもので、軽くて移動しやすいのがメリット。オフィスビルだとテナントの入退去でレイアウト変更を頻繁に行うので、汎用性が高く重宝されています。しかし床荷重はそれほど大きくない商品が多いです。
最近では従来の金属製や樹脂製に加えて、蓄光顔料を練り込んだセラミック製や、木質パネルと樹脂製支柱を組み合わせた製品など、機能性だけでなく、意匠性や環境配慮を強化したものが増えています。

コンクリート製

鉄板製

プラスチック(樹脂)製

超高強度軽量コンクリート製+鋼板
OAフロアを後から設置する場合は、コストがかかります。素材によって値段が異なるので、メリット・デメリットをふまえた上で適切なものを選びましょう。
一番安いのはプラスチック製で、坪あたり3万円前後です。鉄板製は5~6万程度で、コンクリート製だとさらに値段が上がります。
OAフロアの高さと天井高のバランス
OAフロアにはさまざまな高さがあります。
主には、30mm、50mm、75mm、100mmの4パターンです。
一般的に多く流通しているのは50mmで、IT系など電話回線やLANケーブルを沢山引き込む企業にも対応できます。

50mmのOAフロア
75mm、100mmになってくると、床下の空間が広くなるので、純粋に配線工事がしやすいです。しかし、OAフロアを後から設置する場合はカーペットから天井までの距離が短くなります。圧迫感のある空間になってしまうので、高さのあるものはおすすめできません。
竣工の古い物件は、基準階天井高が2,500mmというケースも多いです。こういった物件には、30~50mmのOAフロアが適しています。
OAフロアを後付けする場合は、出入り口にスロープが必要
OAフロアがビル設備として標準装備されておらず、テナント側で後から床上げ工事をする際は、貸室の出入り口がうまく開閉するようにスロープをつくる必要があります。

貸室出入り口のスロープ
ここで注意しなければならないのが、OAフロアの高さとスロープの幅です。
スロープの勾配は、1/12(4.7°)が一般的だとされています。
角度をゆるやかにするために、最低でも50cmほどの必要になってきます。
この角度を保つためには、OAフロアが高ければ高いほどスロープの幅を取らなければならず、デッドスペースが増えてしまうことになります。

スロープではなく階段式にすることもできますが、転倒事故が起こりやすくなったり、荷物の搬入出が不便になるなどのデメリットが多く、あまりおすすめできません。
OAフロアのよくある質問(FAQ)
【Q1】 OAフロアの標準的な高さはどのくらいですか?
A. 主に、30mm~100mmで、配線量や空調設備の条件に応じて調整されます。
【Q2】 パネルのメンテナンスや交換はどのくらいの頻度で必要ですか?
A. およそ5年〜10年が交換時期とされています。
※様々な条件を考慮する必要がありますので、専門機関にご相談下さい。
【Q3】 OAフロアのメリットは何ですか?
A. 配線の自由度が高く、オフィスレイアウトの変更がしやすいことが大きなメリットです。
【Q4】 OAフロアのデメリットは何ですか?
A. 後から設置すると天井高が低くなったり、スロープや段差ができてデッドスペースができることです。
【Q5】 OAフロア導入の費用目安は?
A. 材質や高さ、施工範囲によって異なりますが、坪あたり2〜5万円程度が目安です。











