HOME > officee magazine > ワークスタイル > 【MATCHA】日本と海外の架け橋になるために。ユーザーに一番近い場所で、多国籍のメンバーが働きやすい環境を
訪日旅行者向けのWEBマガジン『MATCHA』を運営する、株式会社MATCHA。日本の観光情報を、英語・中国語・韓国語・ベトナム語・タイ語など計10ヶ国語で発信し、世界中のユーザーから高い評価を得ています。
2017年9月、同社は浅草・雷門1丁目のビルにオフィスを移転しました。浅草という立地にオフィスを構えた理由や、今後の展望について、代表取締役の青木優さんにお話を伺いました。(公開日:2018/01/23)
会社を立ち上げたのは、当時住んでいた中野の自宅でした。その後、渋谷のコワーキングスペースを借りて、千駄ヶ谷のオフィスビルに移転。そして、社員数が増えてきたので浅草に移転してきました。現在のオフィスは、浅草で2物件目です。
色々なエリアを経て最終的に浅草で落ち着いたのは、世の中のインバウンドの流れが見えやすい場所だから。たとえば浅草寺は外国人観光客にとても人気がありますし、大型の観光バスがたくさん停まれるスペースを確保するなど、戦略的に観光客の受け入れを行っています。オフィスの周りには『MATCHA』のユーザーとなり得る人が集まっていて、彼らのニーズやトレンドを身近に感じることができるんですね。
あと、アクセスの良さもポイントです。田原町駅と浅草駅から近く、周辺の上野駅や秋葉原駅も徒歩圏内。弊社は出張へ行く機会が多いため、成田空港や羽田空港まで1時間程で行けるのも非常に便利です。また、この周辺は家賃も安いため、コストの削減にもなっています。
そうですね。ユーザーと近い距離にいられるのは、サービスをつくるうえで非常に良いことだと思います。実際に、雷門の前で外国人観光客の方に声をかけ、ヒアリング調査を行うこともあるんです。現在、読者層の多くはアジア圏の方々なのですが、ヒアリング調査の情報を今後のメディアづくりの参考にしています。
浅草駅近辺でいくつか候補はあったのですが、この物件を見た瞬間にすぐ、「ここに入りたい!」と思いました。まず、2011年竣工で外観が綺麗なんです。他にも、ワンフロアの広さ、高い天井、大きな窓、緑化された屋上のスペースなど、総合的にとても気に入りました。なかなか審査に通らず苦労しましたが、弊社の目指しているビジョンや方向性などを伝え、なんとか入居することができました。
社員からは、「解放的で良い」「執務エリアが明るくなった」という声を聞きますね。レイアウトに関しても、席同士の間隔を開けて、ゆったりとした空間になるように配慮しています。また、日が暮れてくるとちょうど窓から綺麗な夕日が見えたりして。改めてこの物件を選んで良かったなと思いますね。
あと、屋上はかなり有効活用しています。ベンチが設置されているので、社員との面談やちょっとした打ち合わせの際に利用したり。外の風に当たることで、気持ちもリフレッシュできるんです。隅田川の花火も見えるので、次の夏が楽しみです。
卓球台は、移転した際にAmazonのウィッシュリストの中から送っていただいたものなんです。ちょうど良い高さなので、ちょっとした作業や打ち合わせの際にも活用しています。就業後は、社員同士で卓球をしたりもしていますよ。
タイ出身のインバウンド戦略部マネージャーに、ルーマニアの編集者、バングラディッシュ出身のエンジニアなど、さまざまな国籍やバックグラウンドを持つメンバーが集まっています。社内では英語で打ち合わせをするシーンも多く、MATCHAならではの光景ですね。
普段から意識しているのは、メンバー間に認識のズレが生じないようにすること。月初会や部署間での報告会、振り返り会などを定期的に開催して、意見を出し合い、方向性を確認しています。
多国籍のメンバーが集まっていることは、MATCHAの大きな強みだと思っていて。会社が掲げるバリューの1つに、「チームメンバーの違いを常にリスペクトし、成長し合える環境を全員でつくる」というものがあるんです。価値観や文化の違いを尊重しながら、みんなの個性を最大限に活かせる環境にしていきたいです。
ユーザーが訪れやすいオフィスにして、より交流を増やしたいなと考えています。まずは月1、週1といった頻度で、ユーザーへのヒアリング会や懇親会を開催してみたいです。
また、自分たちのオフィスだけで完結するのではなく、地域のお店も巻き込んでいきたいですね。オープンしていない日中の時間にお店のスペースを借りて、そこに人を集めてイベントを開催したり。浅草は人と人との距離が近い地域なので、そういった試みがしやすいだろうと予想しています。
今、オフィスじゃなくてもできる仕事ってたくさんあると思います。弊社もリモートワークを導入していて、自宅やカフェで作業するメンバーもいますが、やはりオンライン上でのやりとりでは十分にできないことも多いなと実感して。1つの方向に向かって、お互いを高め合いながら切磋琢磨できる場所、それがオフィスだと思います。
顔を合わせて話していると、「それ良いね!」という会話から新たなアイデアが生まれてくるんですよね。そういった偶発的な面白さは、オンラインでは生まれない。まさにオフィスの産物だと思います。
私たちのビジョンは、「世界最大の訪日観光プラットフォームになる」ことです。今後もメディアを成長させていき、「日本と言えばMATCHAだよね」と言われる存在を目指したいです。これは日本人だけでは絶対にできないことで、外国籍のメンバーの協力があってこそ。今後も、彼らが力を発揮できる場をしっかりとつくって、個々の強みを活かした組織にしていきたいですね。
また、事業展開の仕方が変われば、オフィスのあり方も変わっていくと思っていて。たとえばゲストハウスと提携したら、「働く場所」という意味ではそこもオフィスという捉え方になるかもしれない。世の中の流れ的にも、オフィスという概念自体が広がっていくのではないかと感じています。
多国籍なメンバーそれぞれが働きやすいと感じる会社になるために、今後も現状に満足することなく、オフィスのあり方を模索していきたいです。
(photo:服部健太郎/text:佐藤愛美)
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