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会議室を倍増しても、課題は消えなかった ― 47が自社で挑む「動詞から変える」オフィス改革

会議室を倍増しても、課題は消えなかった ― 47が自社で挑む「動詞から変える」オフィス改革

2026年7月17日、47ホールディングスは、総務・ワークプレイスご担当者さまを対象としたイベント「第1回 47ワークプレイス meetup ― ワークプレイスのプロが自ら実践する『ワークスタイル変革』とは?」を開催しました。

今回ご紹介したのは、完成したオフィスの成功事例ではありません。現在も進行中の自社オフィス改革を題材に、プロジェクトの背景や課題、そして試行錯誤のプロセスまでを公開しました。
完成した事例ではなく、現在進行中のプロジェクトだからこそ、意思決定の背景や試行錯誤も含めてお伝えできる内容となりました。

本記事では、当日の内容をダイジェストでお届けします。(公開日:2026/07/31)

トークセッション

【開催概要】

日時:2026年7月17日(金)16:00〜18:00
会場:47ホールディングス本社(フジキカイ広尾ビル7F)
対象:企業の総務・ワークプレイスご担当者さま
構成:前半=47の実践のウラ側を本音で語るセッション/後半=自社に当てはめて考えるワークショップ

オフィスづくりで本当に変えるべきものとは

セミナー全体を通してお伝えしたかったメッセージは、「変えるべきは空間ではなく、人の行動(=動詞)である」ということです。

オフィス移転やリニューアルでは、レイアウトや家具、会議室の数など、空間そのものに目が向きがちです。しかし、それらはあくまでも働き方を後押しするための"手段"にすぎません。

重要なのは、その空間でどのような行動が生まれるのか。47ホールディングスでは、この考え方をもとに現在のオフィス改革を進めています。

数字だけでは解決できなかった、2022年のオフィスづくり

その背景には、2022年に実施した本社移転・リニューアルでの経験があります。

当時は「まじわるオフィス」というコンセプトを掲げ、会議室の稼働率や利用状況などのデータをもとにレイアウトを設計しました。

例えば、会議室の稼働率は74〜78%と高い水準にあり、「会議室が不足している」という課題が明確になっていました。そこで会議室を増設するなど、定量データをもとに空間を最適化することで、課題の解決を図りました。

しかし、結果として会議室不足は改善されたものの、「目指したい働き方を実現できたか」という視点では、新たな課題が見えてきた、というのが率直な振り返りです。

空間は変わっても、人の働き方やコミュニケーションは思うように変わらなかったのです。

ハードの課題をハードで解決する発想では、掲げるビジョンと働き方のギャップは埋まらない。この反省こそが、2026年プロジェクト「まず働き方(ソフト)から考え直す」の出発点になりました。

セミナーではこれを「二重の自白」と表現しました。ワークプレイスのプロを名乗る自分たちが、理想のワークスタイルを実践できていないこと。そして、数字で最適化したはずのオフィスでも、その課題が残ってしまったこと。掲げるビジョンと現状のギャップを埋めることが、2026年プロジェクトの出発点です。

課題の抽出と定義 ―「トップ×現場×全社員」3つのアプローチ

では、2026年プロジェクトでは何を変えたのか。最大の違いは、数字だけを見ていた2022年に対し、全社を巻き込む次の3つのアプローチで課題を整理しました。

◆トップインタビュー:経営層へのヒアリングを通じて、会社として目指すワークスタイルや組織のあり方を言語化
◆全社員アンケート:社員一人ひとりへのアンケートを実施し、現在感じている課題や働き方の実態を可視化
◆エヴァンジェリスト:各事業部から旗振り役(エヴァンジェリスト )を選出し、全従業員が働き方を「自分事」として考える構造をつくる

こうして「理想(トップ)」と「実態(現場)」の両方を整理したことで、数字だけでは見えなかった本質的な課題も見えてきました。
例えば、部署や案件ごとにコミュニケーションが閉じてしまい、他部署との接点が生まれにくいこと。こうした日々の働き方こそが、これから変えていくべき対象であることが明らかになったのです。

前提となる目標は、当社のVISION「ワークプレイスで、ゆたかな未来を」。

その実現に向けた5つのステップの第一歩が「社員自身が理想のワークスタイルの価値を理解し、実践できている状態」であり、2026年プロジェクトはここに位置づけられています。

社内アンケート

無意識の“動詞”を洗い出し、書き換える

課題を整理した結果、47ホールディングスがたどり着いたのが、「動詞」に着目するという考え方です。

例えば、「コミュニケーションを活性化したい」「部署間の連携を増やしたい」といった目標だけでは、日々の行動はなかなか変わりません。
そこで、「歩み寄る」「相談する」「席を立つ」といった具体的な行動(=動詞)に置き換え、それらを自然に実践できる環境をつくることを目指しました。

プロジェクトでは、社員の何気ない行動を洗い出し、理想のワークスタイルにつながる行動へと書き換える取り組みを進めています。

例えば、次のような変化を目指しています。

・「チャットに逃げる」 → 「歩み寄って、声を掛ける」
・「いつもの人に相談する」 → 「違う部署へ、聞きに行く」
・「仕事をしながら食事を済ませる」 → 「席を立って、休憩を取る」

こうして「挨拶が減った」「話しかけづらい」といった現場の声を裏返す形で、目指すワークスタイルもすべて"動詞"で定義しました。

多くのオフィスプロジェクトは、自分たちの変化を避けて、ハードの変化だけを望みがちですが、本当に変えるべきは自分たちの動詞です。書き換えた動詞を束ねて「主体的選択」→「 相互理解」→「共創促進」という3つのステップを定義し、これを今回のプロジェクトのゴールに据えました。

ハードはあくまで手段 ― 空間コンセプト『よんなな横丁』

こうした考え方を、実際のオフィス空間へ落とし込んだコンセプトが『よんなな横丁』です。

従来のように「どんな空間をつくるか」から考えるのではなく、「どんな行動を生み出したいか」を起点に設計し、6F・7Fをゾーニングしました。

よんなな横丁コンセプト

たとえば、全員が同じ道を通る構造で「すれ違う・挨拶する」を誘発する〈コリドー〉
通路に対して垂直にデスクを配置し、表情や仕草が伝わることで気軽な声掛けを生む〈アイセキ〉
昼食・休憩時に立場を超えた相互理解を促す〈イップク〉
通りすがりにその場で議論を始められる〈カクウチ〉

いずれの仕掛けも「偶然出会う」「話しかける」「相談する」といった“起こしたい動詞”が先にあり、空間はその手段として設計されています。
さらに、人の移動をコリドーへ自然に誘導する床の貼り分けには、コーポレートカラーで共創へのメッセージを込めています。

空間を先に考えるのではなく、「起こしたい行動」から逆算して設計するこの考え方こそが、2022年とは順序が真逆になった今回のプロジェクトの特徴です。

効果検証 ―“動詞”は本当に変わるのか

仕掛けをつくって終わりにしないのが、今回のプロジェクトのもう一つの特徴です。

レイアウト変更(2026年夏)の前後で同じ全社員アンケートを実施し、働き方や行動がどのように変化したのかを“動詞の変化”として数値で定点観測します。

セミナーでは、変革前のアンケート結果も包み隠さず公開しました。現オフィスに「満足している」はわずか30%、「生産性向上に寄与している」は31%という結果でした。

こうした現状を出発点とし、同じ設問で継続的に調査を行うことで、空間だけでなく、人の行動や働き方にどのような変化が生まれたのかを客観的に検証していきます。

ワークショップ

レイアウト変更後のオフィスは、今後ご見学いただけます

47ホールディングスでは、随時ご見学を受け付けています。「ソフトの変革」が「ハード」としてどう結実したのか、ぜひ実際の空間でお確かめください。

オフィス移転やリニューアルをご検討中の方はもちろん、

・オフィスの課題にどこから手をつければいいか分からない
・社内の合意形成をどのように進めればよいか悩んでいる
・働き方に合わせたオフィスづくりを進めたい
・ワークプレイス戦略から見直したい

といった課題をお持ちの企業さまにも、参考にしていただける内容です。

見学のお申し込み・ご相談は、下記より本社へお気軽にお問い合わせください。

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