HOME > officee magazine > ワークスタイル > 【うるる】オフィスを「放課後の教室」のような空間にーー代表取締役社長・星 知也氏インタビュー
「会社はホーム、社員はファミリー」というスピリットを掲げるのは、勝どきにオフィスを構える株式会社うるる。人生において多くの時間を占める「会社にいる時間」を有意義にしたいと、同社はオフィス設計においても「ホーム」感を大切にしています。
そこで今回、代表取締役社長である星知也氏に、これまでのオフィス遍歴やオフィス設計のこだわりについてお話を伺いました。(公開日:2017/05/30)
最初から勝どきでしたね。当時は東京と札幌を行き来することが多かったため、羽田空港に近くて、かつ東京の各エリアに出やすい場所を検討した結果、勝どきが良さそうだなと。とは言え、最初は3名でのスタートでしたから、オフィスというよりもマンションの1室を住居兼オフィス、という感じで使っていました。
ただ、当初からデータ入力の事業を展開していたため、原本の入ったダンボールでマンションが埋もれていく状態になっていきまして(笑)。2LDKの間取りで複合機も2台あり、段々と手狭になっていき、2年後に「広いところへいこう」と移転しました。
移転したのは、同じく勝どきにある倉庫でした。しかも倉庫の屋上にあるプレハブ部分だったんですね。いま思えば懐かしいのですが、エレベーターも車が入れるくらいの業務用エレベーターで、6階まで上がるのにタワーマンションの最上階まで行くよりも時間がかかるんじゃないかという感じでした。
ただ、そのときよかったなと思ったのは、キッチンがあったこと。私自身も朝から仕込みをして本格的なカレーをつくったりして。そのときに「こういった、みんなが集まれる場所はいいな」と思い、現在のオフィスでもキッチンをつくってあります。
会社にいる時間って長いじゃないですか。人生において大部分を占めるのが会社にいる時間ですから、その時間を有意義にしていきたい。その想いから生まれたのが、「会社はホーム、社員はファミリー」というスピリットです。
そのため、オフィスも「ホーム」というのをコンセプトに設計しています。エントランスを木目調の床にしたり、額縁に入った写真を飾ったりと欧米の邸宅風にしているんですね。また各会議室も、「Brown」「White」といった名前をつけており、それぞれを表札風にしています。
また、働く環境を向上していこう、という想いは強くありまして。理想は「学校の放課後」なんです。学校で放課後に教室に残っていたら、先生に「早く帰れ」と言われるじゃないですか。それでも、ついつい教室に残って友だちと話している感じっていいなと。社員にとって居心地のいい環境をつくり、「学校の放課後」のような空間にできると幸せだなと考えています。
マッサージチェアや仮眠スペースを設け、社員がくつろげる環境を意識しています。また、「オープンな環境」というのを特に意識していますね。フロアには壁を設けていませんし、ユニークなところで言えば、喫煙所も隔離しないようにしています。
たとえばビルの1階に喫煙所があったりして喫煙者がタバコを吸いに行くと、その人に用事がある人は「20分後にもう一度探してみよう」となりますが、それってとても非合理的ですよね。とは言え、非喫煙者は喫煙室まで行きたくないじゃないですか。
そこで弊社のオフィスではクリーンエア・スカンジナビア社の分煙機を導入しています。完全に隔離するのではなく、喫煙者と非喫煙者が同じ場所を共存できる分煙機なので、タバコを吸いながら、非喫煙者のメンバーともコミュニケーションがとれるようにしています。非喫煙者のメンバーからも不満は上がっておらず、これは導入してよかったな、と思いますね。
制度として導入しているわけではありませんが、エンジニアでリモートワークをしているメンバーはいます。しかしセキュリティ面を含めて、「いつでもリモートワークできる体制は整えておこう」としていたので、始めようと思えばいつでもはじめられる環境ではあります。
また、営業メンバーは外まわりが多いため、場合によっては勝どきのオフィスまで戻ると非効率な状況というのが発生します。そこで制度としては「カフェ手当」というのを設けており、打ち合わせと打ち合わせの合間のカフェ代を会社で負担していたりしますね。
明確な金額は決めていないので、1日中カフェにいようと思えばできてしまいますね。ある意味、サボろうとする人をしばらない社風かもしれません。というのも、「サボる」ってやはり後ろめたい気持ちになりますよね。そうなると、働くのがツラくなっていく。
しかし繰り返しになりますが、人生において多くの比重を占めるのが「働く時間」ですから、やはり気持ちよく働きたいじゃないですか。だからこそ「会社はホーム、社員はファミリー」というスピリットでメンバーを信頼していますし、「サボろう」と思って仕事をしているメンバーはいないかなと感じています。
本当の自分をさらけ出せる、自分の居場所。それが弊社にとってのオフィスだと考えています。そして、ある意味ではすごい “日本的” な部分もあるなと。たとえば弊社のオフィスは掃除当番を決めていて、社員が掃除をしているんですね。また部活動も頻繁に行われていますし、まるで「学校生活の延長線上のノリ」が弊社にはあります。
そのためメンバー同士のコミュニケーションをとる機会は非常に多いですし、社員もアルバイトも雇用形態にかかわらずに仲がよくて。退職して起業したメンバーも過去に何名かいるのですが、そのうち何名かとは取引があるほど、卒業したメンバー含めて本当に仲がよいんですよ。
これからも「会社はホーム」というスピリットは愚直に追求していきたいですし、外から見て羨ましがられるような環境にしていきたいですね。
(書き手:永田 優介)
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