
【イデアインターナショナル】ものづくりを体現する空間を目指して。自分たちの手で育てる、居心地の良いオフィス
キッチンアイテムやインテリア、コスメ、トラベルグッズなど、ライフスタイルを彩るさまざまな商品を企画・販売する株式会社イデアインターナショナル。遊び心溢れるデザインが生活にときめきを与えてくれます。
同社のプロダクトが生まれるのは、JR山手線・田町駅から徒歩数分の場所にあるオフィス。10年ほど前から入居しており、現在は3階と7階の2フロアを使っています。
7階の内装デザインは多方面で注目を集め、テレビのCMやドラマ、雑誌などの撮影場所としても使われています。今回は、内装デザインプロジェクトの指揮をとった商品開発部・クリエイティブディレクターの石川康宏さん(写真右)と、広報の武本麻梨絵さん(写真左)にお話を伺いました。(公開日:2018/04/12)
目指したのは、ものづくりを体現する空間

── 10年前にこちらのオフィスを設計されたと伺いました。内装デザインはどのように決められたのでしょうか?
石川:最初はオフィスデザインを手掛ける会社さんにお願いをしていましたが、2ヶ月間ほどミーティングを重ねて先方からアウトプットが出てきたときに、我々がイメージしているものとは少し違いました。基本的にオフィスの「使いやすさ」を重視した提案だったんです。
オフィスは一日の多くの時間を過ごす場所じゃないですか。だからこそ、合理性も大切ですが、それよりも働く人が快適で気持ち良く居られる空間であるべきだと考えました。そこで、一度プロジェクトを白紙に戻して私が総指揮をとり、コンセプトを明確にしたうえで改めて別のデザイナーさんにお願いをしたんです。
── 内装のコンセプトを教えていただけますでしょうか。
石川:コンセプトは「イデアのものづくりを体現する空間」です。弊社はインテリア雑貨のBRUNO(ブルーノ)やトラベルグッズのMILESTO(ミレスト)、オーガニックコスメのTerracuore(テラクオーレ)など、複数の自社ブランドを展開しています。プロダクトをゼロから生み出す企業として、多様性に溢れ、多くのアイデアが生まれるオフィスを目指し、インテリアの選定やレイアウトの設計がなされています。

── 具体的にはどのような内装を実現したのですか?
石川:まず、たくさんの素材や色を使い、部屋や空間に合わせて切り替えることで多様性を表現しました。さまざまなテクスチャーがクリエイティビティを刺激し、インスピレーションをもたらします。
例えば、エントランスの壁面には一面に本物の植物を配しました。朝の出勤時間に合わせて自動給水のタイマーをセットしてあります。滴り落ちる水が朝日でキラキラと輝いてとてもきれいなんですよ。
このオフィスを作った当初は、壁面緑化もまだ一般的ではなくて、お願いできる業者さんを探すのに少し時間がかかりましたね。

石川:そして、奥のミーティングスペースの壁には大きめの石が埋め込まれています。入り口からも見えて存在感があり、初めて来たお客さんの中には驚く方もいます。

武本:打ち合わせスペースもカフェのような雰囲気で、柔軟な思考が働き、良いアイデアが生まれます。お客さまからも「堅苦しい会議室で商品の説明を受けるよりも生活シーンでのイメージが湧く」と喜ばれています。

石川:また、オフィスチェアの張地はイギリスのDESIGNERS GUILD(デザイナーズギルド)のものですが、カタログにある50種類以上の色や柄を全て使っていて、一つ一つデザインが異なります。これは多様性を表現するだけでなく、クライアントとファブリックの色を確認する際の見本としても活用しています。

石川:家具の中には、日本の地場産業とコラボレーションして特注で作ってもらったものもあります。素材は極力天然のものを使い、床材には一部廃材を使用しました。日本のものづくりに敬意を払い、環境にも配慮するといった点でも、まさにイデアの姿勢を体現しています。
キッチンは人が集まる“マグネット”のような場所

── こだわり満載のオフィスの中で、一番の自慢はどこでしょうか?
武本:やはりキッチンを完備したカフェカウンターですね。誰でも自由に使うことができて、自社のキッチン家電で料理をしてお客さまに振る舞ったり、社員同士でスポーツ観戦をしながらケータリングを頼んでお酒を飲んだりと、かなり頻繁に利用されています。料理家の方をお呼びしてみんなのランチを作ってもらう「ブルーノ食堂」は、社員にとって月に一度のお楽しみです。


石川:カフェカウンターがあるのはエントランスを通ってすぐの場所。つまり、オフィスを出入りする時は誰もが必ずカフェカウンターを通ることになります。通常のオフィスだと入り口付近に来客者用の商談スペースを設けて執務エリアと区切ることが多いですが、私たちはセキュリティよりも風通しの良さを優先に考えました。オフィスの“顔”となる中央部に「OFF」の空間を配置することで、まるでマグネットのように人が集まってきて、自由闊達なコミュニケーションが生まれています。
自分たちの手でオフィスを育て、より働きやすい環境へ

── オフィスの居心地をより良くするために行っている取り組みなどはありますか?
武本:毎週木曜日の朝に、社員全員で掃除をしています。キッチンの掃除は毎朝の当番制。当番になった人は花を生けたコップを翌日の人に渡し、「明日お願いします」と引き継いでいきます。自分たちの手で快適な環境を保つことで、オフィスに愛着が湧き、清掃時間中は社員同士のコミュニケーションが生まれています。
── 最後に、今後の展望を教えてください。
石川:7階に入居してから早くも10年が経ち、少しずつ痛んできた部分もあります。メンテナンスを加えながらさらに働きやすい環境を目指し、オフィスを育てていきたいです。また、自社のオフィス空間を自らプロデュースしたことがキッカケになり、他社さんから内装のデザインを依頼されたり、相談を受けたりすることも多いです。そういった声には積極的に耳を傾け、失敗談も含めてアドバイスすることで日本の企業のオフィス環境がより良くなるよう、少しでも力になれればと思います。
(photo:森田剛史/text:下條信吾)











