2018年IPO企業の本社はどこにある？エリアごとの特徴も解説します！

2018年に上場した企業は全部で91社。過去10年では最も多い年となりました！

ソフトバンクやメルカリといった大型のIPOもあり、注目を集める機会も多かったのではないでしょうか？

全91社の本社所在地がどこにあるのか調べてみると、約71％が東京都内でした。（※）

東京23区の中で最も多かったのは港区。さらに、渋谷区、新宿区と続きます。

（※）本社所在地の情報は、2018年12月現在のものです。12/19に上場したKudanは公式サイトで住所を非公開にしていたため、集計から省いています。

「そりゃあ東京が一番多いに決まってるだろう」と思うかもしれませんが、日本全国にあるすべての上場会社の中で、東京都に本社がある企業は約50％しかないそうです。そう考えると、今年上場分の71％は割合的に多く感じますよね。

2018年のIPOの傾向としては、マザーズへの上場が非常に多い年でした。また業種別に見ると、サービス業や通信業がかなりの割合を占めています。その中には、AIやRPAなど注目度の高い分野の企業が多く含まれており、こうした企業のほとんどが東京に本社を構えているのです。こうした背景も相まって、自ずと東京都の割合が増えたのかもしれません。

＜参考＞

日本の株式会社と上場企業数（最新版）

ここからはミクロな視点で、エリア別の特徴も少し見てみましょう。今回は、東京都の中で1位の港区から3位の新宿区までをピックアップしてみました。

1位：港区（18社）

2位の渋谷区と大差をつけた港区。企業一覧を見てみると、2018年IPOの目玉だったメルカリやソフトバンクも含まれています。

AIやIT系のサービス開発を行っている企業は、職種的に内勤で作業するスタッフが多いので、六本木や赤坂などの良い雰囲気のエリアにいる印象。

一方、外へ営業活動に行くことが多い会社は、浜松町や芝大門など比較的広域にアクセスしやすいところを拠点にしています。アルテリア・ネットワークス然り、ファイバーゲート然り、なんとなく通信設備系が浜松町に固まっているように見えますね。

2位：渋谷区（10社）

続いて渋谷区。新宿の方にも分布しているのは、一部住所が渋谷区のエリアがあるためです。全体的に見ると、やはり渋谷駅周辺に集中しています。

ピアラはECサイトのシステムの運営する会社で、人事制度に「スモ休（たばこを吸わない人に付与する、年6日の有給休暇）」という健康促進制度を設けるなど、働き方でも注目されているITベンチャー。また、GA technologiesは不動産×AI、アズームも駐車場×テクノロジーということで、渋谷区のイメージらしいテクノロジー系企業が揃ったな、という印象です。

3位：新宿区（7社）

最後に新宿区。明らかに西新宿に集中していますね。大型ビルが多いエリアで、都庁もあるし、やはり箔がつく立地ではあります。

西新宿の高層ビルに集まる業種は様々ですが、特に人材系が多いです。例えば、住友不動産新宿グランドタワーに入居しているポートは、元々IT×人材でソーシャルを活用したリクルーティングの事業を手がけていました。人材系だけでなく、IT企業なども採用面でのメリットを考え、アクセスのよい西新宿で、大型ハイグレードビルを選びやすいのです。

高層ビルはフロア数が多いので、オフィスの拡張性の高さが好まれます。上場後の人員増加によってビル内で拡張移転する、という展開も十分に予想されますね。また、近隣のビルに分室を出すなどの戦略が取りやすいのも西新宿の魅力と言えるでしょう。

とは言え、最近では西新宿エリアの高層ビルも空室率が減少してきているとの話も上がっています。ビル内での移動や増床が難しくなってきている状況です。今後、西新宿エリアの企業がどう拠点を展開していくのか、その動向が注目を集めています。

いかがでしたか？東京上位3位までのエリアの特色をご紹介しました。

今回2位だった渋谷区は、情報・通信系の企業が圧倒的に多いエリアではあるので、もしかしたら2019年は上場企業が増えてくるかもしれませんね。

2018年に上場した企業も、今後どのような戦略でオフィスを移転するか、注目していきたいところです。

（公開日：2018/12/26）