オフィス移転マニュアル

オフィス移転は会社にとって重要なイベントです。オフィス移転を失敗しないためにあまり知られていないオフィス移転までの道のりをリストアップしましたのでご覧ください。また、オフィス移転は経営戦略的な観点からも大変重要なものですので、プロのオフィスコンサルタントと一緒に計画するのがベストでしょう。

STEP.1
移転プランニング

移転目的を含めたプランニングの開始

STEP.2
オフィスを探す

オフィス移転で一番大事なオフィス探しの開始

STEP.3
オフィスプランニング

オフィスレイアウトなど、オフィスに関する計画

STEP.4
契約

移転先のビル契約や現入居ビルの解約手続き

STEP.5
移転準備

引越しやネット回線の手配など移転準備の開始

STEP.6
新オフィスの運用

移転後のオフィス運用について

1.移転プランニング

オフィス移転をする動機は企業ごとにそれぞれ違いますが、まずはオフィス移転の達成すべき目的をきちんと把握してオフィス移転に臨んでください。以下はその指針となりうる項目ですのでご一読ください。

オフィス移転の目的

オフィスの移転計画を立てる際には、移転の目的を明確にした上で、立地条件や設備条件を検討する必要があります。移転の目的としては、オフィスを広くしたい、企業のイメージを良くしたい、働きやすい職場にしたい、賃料を安くしたい、セキュリティの充実したビルに入りたいなどが挙げられます。

条件設定

移転先を探す場合、移転の目的と照らして、条件を設定する必要があります。例えば、立地条件として、交通機関は便利か、駅から徒歩何分くらいか、社員の通勤時間・通勤費がかかりすぎないか、銀行や飲食店などの利用に不便はないかなどが挙げられます。最寄り駅が複数路線を利用可能(例:表参道の賃貸オフィス)ですと、営業先へ出かけるのにも大変便利です。
また、設備条件としては、オフィススペースは何坪くらいか、ビルの管理サービスはどうなっているか、ビルの利用条件はどうなっているかなどを考慮する必要があります。ビルによっては、オフィスの利用時間、空調設備の利用可能時間などに制限がなされている場合があります。例えば、深夜や土日にオフィスが利用できなかったり、空調が利用できなかったりすることにより、業務に不都合が生じる可能性もあるので、確認する必要があります。

移転スケジュールの作成

効果的・効率的に作業を進めるために、オフィス移転に必要な作業を整理して、移転日までの作業スケジュールを作成する必要があります。この段階では、具体的な作業内容などが明確になっていないため、おおまかなスケジュールとなります。

現オフィスに関するスケジュール

現オフィスに関するスケジュールを下の画像にまとめたのでご覧ください。オフィス移転は様々な場合がありますが、通常オフィス移転の6ヶ月前から行うのがベストです。

2.オフィスを探す

オフィス移転をする動機は企業ごとにそれぞれ違いますが、まずはオフィス移転の達成すべき目的をきちんと把握してオフィス移転に臨んでください。以下はその指針となりうる項目ですのでご一読ください。

市況把握的

現在のオフィス市況の正確な把握は、オフィス移転の目的や希望条件の妥当性を判断する場合や、コスト面の条件を満たすエリアを選定する場合などに、非常に重要なポイントです。また、オフィス移転のタイミングの決定やビルオーナーとの条件交渉を行う際にも役立ちます。

ビル情報の収集

物件情報は、移転先の立地条件などの優先順位を考慮して収集する必要があります。例えば、「立地条件が良い」、「賃料が安い」など、希望するすべての要件を満たすオフィスが見つからない場合もあります。その場合、どの要件を重視するのかを明確にしておかなければ、目的を満たせない物件を選んでしまうおそれがあります。そのため、物件情報を収集する際には、移転目的の優先順位、バランスなどを考えておくことが重要です。以下にオフィス選定時に注意したい項目をリストアップしました。

1.コスト
  • 賃料の確認
  • 契約面積の有効率
  • 預託金(敷金・保証金)も含めた実質的な賃料
2.グレード
  • 規模・外観のイメージ
  • 築年数
  • 入居している企業
  • 共用部分の状況
3.設備
  • 天井高
  • OA対応
4.立地・環境
  • 近隣の施設などの把握(金融機関や飲食店など)
5.オーナー
  • ビルの不動産登記簿の閲覧
  • 信用調査の依頼

コスト計画

オフィス移転には、様々なコストがかかります。具体的には、原状回復費用、移転仲介手数料、引越し費用、内装工事費用、電話工事費用などがあります。物件選定に際しては、コスト面も踏まえた上で比較検討することも重要です。

1.ランニングコスト 光熱費、水道費、清掃費等の共益費以外に別途請求される費用は、ビルによって計算方法や基本料金が異なります。単純に契約面積に比例して増減するとは限りません。
2.引越し費用 実際の荷物の量、移動距離、時間帯、ビルの進入口やエレベータの状況などを査定して料金が決まるため、同じ面積の移転でも金額に差が生じます。
3.移転先内装工事費 大規模な造作費用はもちろん、簡単な間仕切りの取付けや什器備品の購入についても、施工業者などから見積りを取ります。
4.原状回復費用 ビルの指定業者が決まっている場合は、その業者から見積りを取ります。任意の場合は数社から見積りを取るのがよいでしょう。査定をする際には、必ずオーナー、テナント、工事業者の三者立会いのもとに行うことが大切です。
5.預託金 ビルの預託金から一部償却費として差し引かれる場合があることを念頭におく必要があります。
6.電話工事費用 電話回線の接続には、専門業者の工事が必要な場合もありますので、事前にチェックする必要があります。
7.コンピューター移設費用 一般の引越し業者が取り扱わない大型コンピュータの移設などは、特別な対応が必要ですので、事前に確認しておくべきです。

新オフィスに関するスケジュール

オフィス移転で新しいオフィスを探す場合に必要になる作業スケジュールです。ご確認ください。

3.オフィスプランニング

オフィス移転をする動機は企業ごとにそれぞれ違いますが、まずはオフィス移転の達成すべき目的をきちんと把握してオフィス移転に臨んでください。以下はその指針となりうる項目ですのでご一読ください。

現状の分析

オフィス移転により、現在のオフィスで抱えている問題点を解決することができる場合もあるため、まず問題点を分析する必要があります。具体的には、従業員の満足度や不満な点、現在のオフィスのレイアウト、各スペースの面積、使用状況や稼働率、OA機器の使用状況、書類の量、照明や空調といった環境条件などを調査していきます。

機能スペースの整理

オフィスプランニングの段階で、新しいオフィスで必要な機能スペースを把握しておくことが必要になります。具体的には、接客のための応接室、会議室、受付、リフレッシュスペース、更衣室、給茶コーナー、コピー機置き場、役員室、事務スペース、サーバルーム、収納などについて、業務上必要な数やスペースを整理しておく必要があります。

ワークスペース

オフィスの面積のうちの共用部分を除いたスペースが、社員1人あたりどの程度確保できるかを考える必要があります。通常、1人あたりのワークスペースは、1坪~2坪程度と考えられますが、将来の増員なども見越す必要があります。

収納スペース

通常、書類は日々増加していきますので、現在の書類の収納に加えて、今後、どのように収納していくかという点も考慮する必要があります。

リフレッシュスペース

オフィスでは、長時間業務に携わることとなるため、従業員にとってリフレッシュできる環境が整備されていることが望ましいです。例えば、喫煙ルームや自動販売機の設置などが考えられます。

色彩計画・照明

オフィスの色彩や照明によって、働きやすさに影響を与える可能性があります。心やすまる色彩計画、作業に適した照明の照度などの点も考慮する必要があります。

オフィスレイアウトの決定

各部門のメンバーや役員など、どのような配置にすれば、コミュニケーションや業務が効果的に行えるかなどを考慮して、オフィスレイアウトを決定していきます。オフィスレイアウトについては、電気系統や照明、空調などに関して、消防法などの制約に注意をする必要があります。

4.契約

オフィス移転をする動機は企業ごとにそれぞれ違いますが、まずはオフィス移転の達成すべき目的をきちんと把握してオフィス移転に臨んでください。以下はその指針となりうる項目ですのでご一読ください。

契約の準備

物件情報を収集し、気に入った物件が見つかったら、入居申込みのための準備を進めます。入居申込書には、会社名・住所・代表者名・業務内容・取引銀行などを記入し、会社案内・登記簿謄本を添付して入居の申込みをします。その後、ビルのオーナーによる信用調査が行われ、問題がなければ契約に入ることになります。

敷金・保証金等の確認

賃貸オフィスの契約時には、敷金や保証金として、賃料の数ヶ月分が必要となります。 敷金や保証金は、退去時の原状回復費用や賃料滞納時の担保として支払うものです。支払う金額、返還方法、償却方法などは物件により異なるため、契約内容をよく確認しておく必要があります。 また、共用部分の負担は、オーナーやビル管理会社が行うのかテナント側で行うのかといった賃料に含まれる範囲なども確認する必要があります。

手付金の支払い

本契約に先立ってオフィス物件をおさえるために、手付金を支払う場合があります。手付金は、保証金・敷金の20%程度の場合が多く、本契約の締結まで進んだ際には保証金の一部に当てられるのが一般的です。また、キャンセルした場合には、手付金が戻ってくるのかなども確認しておき、手付金が戻ってくるという場合は、その書面も受け取っておくことが望ましいです。

現オフィスの解約手続き

移転先決定の目途が立ったら、現入居ビルを退去する準備に入ります。現在締結している賃貸借契約書を再度確認し、契約書に基づいて貸主に解約予告をしなければなりません。契約書に詳しく述べられていない場合は、話し合うことも必要になりますから、事前によく確認しておきましょう。

解約予告期間 通常、3~6ヶ月前までの予告が必要
即時解約の場合は、予告期間に相当する賃料などを支払わなければならないのが一般的
賃料 明渡し月の賃料、共益費は、日割り計算になることが多い
明渡し月の賃料を1ヶ月分全額支払う内容になっている場合もあるので確認が必要
預託金 預託金の返還額の確認
償却費がある場合、入居年数により償却率が違うのでチェックが必要
預託金の返還日の確認。ただし、契約の内容により異なるので注意
原状回復 退去時、原則として貸室内を原状に復して返還
工事の範囲や期間と期限などは、入念な打ち合わせが必要
オーナー指定の工事業者の有無を確認

5.移転準備

オフィス移転をする動機は企業ごとにそれぞれ違いますが、まずはオフィス移転の達成すべき目的をきちんと把握してオフィス移転に臨んでください。以下はその指針となりうる項目ですのでご一読ください。

見積り・発注

引越し業者は、引越し作業の企画・提案からアフターケアまで一貫して行うところもあれば、それぞれの作業を別々に考えて契約するところなど、様々です。そのため、運送費用も画一的なものにはなっていません。依頼する際のポイントとしては、依頼する作業内容を明確に伝え、数社から見積りを取り、比較検討して決定することです。

各種手続き

法務局への届出 移転前の担当局で手続きを行う
移転のケースや場所によって、提出書類が異なるので、事前に問い合わせる
特に、本社移転は、「定款の変更」「類似商号の調査」「商号の仮登録」の手続きが必要
税務署への届出 移転登記後、登記簿謄本か抄本を添え、「異動届出書」と「給与支払事務所等の移転届出書」を移転前後それぞれの所轄税務署へ提出
地方税事務所 登記簿謄本を添付し、「異動届出書」を移転前後それぞれの所轄事務所へ届け出る
電話の移転手続 1ヶ月前から受け付け
現在の受け持ち電話局と移転先の電話局で手続きを行う(契約者名と移転先の住所が確認できる登記簿謄本あるいは抄本などの書類を用意)
移転の案内サービスは、申し出ると利用可能(3ヶ月間無料)
郵便局への届出 郵便局にある「移転ハガキ」に必要事項を記入し、旧オフィスの受け持ち郵便局に提出(1年間、郵便物を回送)
その他
  • リース機器会社への手配
  • 購読新聞の変更手続き
  • 損害保険の加入手続き
  • 保険などの契約変更手続き
印刷物の表示変更 案内状や名刺などの発注(移転2週間前には刷り上がるように)
〔住所の確認:「地番(登記簿上の番地)」ではなく「住居表示(郵便物が届く住所)」であること〕

6.新オフィスの運用

オフィス移転をする動機は企業ごとにそれぞれ違いますが、まずはオフィス移転の達成すべき目的をきちんと把握してオフィス移転に臨んでください。以下はその指針となりうる項目ですのでご一読ください。

安全管理 ビルの安全管理システム(出入管理、防犯監視、非常通報、火災監視、設備情報制御、設備情報監視等)の再点検
不足部分の補填
使用管理
  • 入退館規定の作成(ビル利用規定に基づく)
  • 鍵管理規定の作成
  • 特殊施設(駐車場、コンピュータ室等)、会議室、応接室の利用規定の作成
環境管理
  • 設備の運転条件の設定(節電を考慮)
  • 廃棄物の処理方法の設定(リサイクルを考慮)
  • 喫煙規定の設定
スペース管理 スペーススタンダードに基づくスペース管理
(組織変更に伴うレイアウト変更への柔軟な対応)
資産管理 備品やOA機器などの配置や台数の管理